2019年6月19日、横浜税関が公表した貿易速報によりますと、日本の主要な港湾の一つである横浜港の同年5月の貿易統計は、輸出額が前年同月比で8.8%も減少し、5,140億円となりました。これは、2018年12月から数えて6カ月連続でのマイナス成長という大変厳しい結果で、日本経済の先行きに懸念を示す数字と言えるでしょう。
特に輸出の減少に大きく影響を及ぼしたのは、自動車の海外向け出荷の落ち込みです。具体的には、ドイツやスイスといった欧州諸国への輸出が振るいませんでした。また、対中貿易では、工場設備などに使われるポンプ・遠心分離機や、自動車関連の部品の輸出も減少しており、世界的な景気減速の影響が色濃く出ていると分析できます。
一方、輸入額は対照的な動きを見せ、前年同月比14.8%増の4,750億円と大幅に増加しました。国内の輸入額全体が3カ月ぶりに減少する中で、横浜港の輸入額は増加を継続し、金額としては過去最大を記録しているのです。この増加の主な要因は、サウジアラビアからの原油・粗油の輸入が、驚異的な91.9%増という顕著な伸びを示したことにあります。
原油・粗油の輸入額がこれほどまでに急増している背景には、国際的な原油価格の変動や、国内のエネルギー需要の高まりなど、複数の要因が考えられるでしょう。また、輸入では自動車や音響・映像機器といった最終製品の増加も確認されており、国内の消費意欲自体は一定程度維持されている状況が見受けられます。
輸出額から輸入額を差し引いて算出される貿易収支は、74.0%減の390億円と大幅に縮小し、こちらも8カ月連続で減少しています。貿易収支が減少するということは、モノを売って外貨を稼ぐ力が弱まり、逆にモノを買うために外貨を支出する力が強まっていることを意味します。この傾向が続けば、国内の雇用や関連産業にも影響が広がる可能性があり、今後の推移を注意深く見守る必要があるでしょう。
SNSでも広がる景気後退への懸念
この横浜港の貿易速報に対して、SNS上では経済の先行きを不安視する声が多く見受けられます。「横浜港の輸出減少」や「6カ月連続マイナス」といったキーワードがトレンド入りし、「とうとう景気後退が本格化してきたのか」「自動車は日本の基幹産業だから心配だ」といった、懸念を示すコメントが目立っています。特に、中国向けの部品輸出の減少は、米中貿易摩擦の長期化が日本のサプライチェーンにも悪影響を及ぼし始めている証拠ではないか、という指摘も出ています。
もちろん、原油の輸入急増は一時的なものであってほしいですが、横浜港が全国の輸入をけん引している事実は、国際情勢や資源価格に左右されやすい日本の経済構造を改めて浮き彫りにしています。編集部としては、今回の結果は、世界経済の不確実性が高まる中で、日本が製造業の競争力を維持しつつ、新たな成長エンジンを見つけ出すことの重要性を強く示唆していると考えます。
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