不二家の逆襲!「ペコちゃんチャレンジ」で子供の心を掴む店舗変革と大人向け新業態の勝機

創業から100年以上の歴史を誇る不二家が、いま大きな転換期を迎えています。2019年10月16日現在、同社は従来の不採算店舗の整理から一歩踏み出し、実店舗の価値を再定義する野心的な試みを加速させています。その象徴ともいえるのが、子供たちが主役になれる体験型サービス「ペコちゃんチャレンジ」です。

2019年10月3日、東京・文京区の「OTOWA FUJIYA」では、親子連れが笑顔でパフェ作りに励む光景が見られました。このサービスは2019年8月からスタートしたもので、3歳以上の子どもが2000円で参加できる特別なプログラムです。単なるお菓子作りにとどまらず、接客などの店舗運営を疑似体験できる点が大きな魅力となっています。

SNS上では「子供がコック帽を被る姿が可愛すぎる」「自分で作ったパフェを並べる体験は一生の思い出になる」といったポジティブな反響が広がっています。こうした体験型コンテンツは、ネット通販では決して味わえない「リアル店舗ならではの付加価値」を提供しており、幼少期からブランドへの愛着を育む巧みな戦略だと言えるでしょう。

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赤字脱却への処方箋!効率化とブランド再構築の両立

不二家の足元の業績を紐解くと、カントリーマアムなどの製菓事業が好調な一方で、洋菓子店運営を含むセグメントは2018年12月期に14億円の赤字を計上しています。2019年6月までに54もの不採算店を閉鎖するなど、痛みを伴う改革を断行してきました。今後は運営コストを抑えられるスーパー内店舗を軸に据える方針です。

しかし、残された路面店には「地域密着のコミュニティ拠点」としての役割が期待されています。そこで投入されたのが前述の体験教室です。2020年3月までに実施店舗を50店に拡大する計画で、これにより既存店の集客力を底上げする狙いです。単にケーキを売る場所から、体験を買う場所へと進化を遂げようとしています。

大人も魅了する「西洋菓子舗 不二家」の新展開

少子化という避けられない荒波に対し、同社はターゲットの拡大にも余念がありません。2019年3月に三越日本橋本店へ登場した「西洋菓子舗 不二家」は、その代表格です。「インバウンド(訪日外国人)」、つまり海外から日本を訪れる旅行者や、本物志向の大人世代をターゲットにした高級感溢れる新業態です。

当初は期間限定の予定でしたが、予想を上回る人気を受けて2020年2月までの延長が決定しました。さらに2019年9月にはジェイアール京都伊勢丹に2号店をオープンさせるなど、勢いは止まりません。ミルキーといったお馴染みのブランドを洗練されたデザインで再構成する手法は、贈答品需要の掘り起こしにも成功しています。

1910年に横浜で産声を上げた不二家にとって、店舗運営はまさにアイデンティティそのものです。古き良き伝統を守りつつ、デジタルネイティブの子供世代や感度の高い大人層に刺さる新しい「体験」を提供できるか。この果敢な挑戦こそが、次の100年を支える鍵になることは間違いありません。

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