これまで下落傾向が続いていた輸入合板の市場価格に、大きな変化の兆しが見え始めました。国内の需要が低迷していたことを受け、商社側が輸入量を制限していた矢先、主要な供給元であるマレーシアのメーカーが価格の引き上げを宣言したのです。これにより、2019年10月以降の取引価格は横ばいへと転じ、下げ止まりの様相を呈しています。
現在、東京地区における問屋卸価格を確認すると、コンクリートを流し込む際の枠組みとなる「型枠用合板」が1枚1340円前後、建物の骨組みを支える「構造用合板」が1370円前後で推移しています。2019年の春先から続いていた下落基調は、秋を境に完全にストップしたと言えるでしょう。
SNS上では「現場の材料費がまた上がるのか」「品薄になる前に確保しなければ」といった、建設関係者からの切実な声が目立ち始めています。商社が仕入れを絞ったことで、2019年9月24日に発表された輸入実績は前年同月比で10%も減少しました。これで11ヶ月連続の前年割れとなり、特に構造用合板の品薄感は深刻さを増しています。
マレーシア大手の強気な値上げと供給不安の背景
価格動向を左右する決定打となったのは、マレーシアの合板大手であるシンヤン社の動きです。同社は12月積み以降の対日輸出価格を、11月比で5%引き上げる方針を固めました。この背景には、現地での環境規制や天候不順により、材料となる丸太の伐採量が減り、原材料費が高騰しているという事情が存在します。
ここで言う「合板」とは、薄くスライスした木の板を繊維方向が交互になるよう貼り合わせた木材のことです。強度が高く、現代の建築には欠かせない素材ですが、その供給網は海外の情勢に大きく依存しています。シンヤン社としては、悪化していた輸出の採算をこの機会に改善したいという狙いも透けて見えます。
さらに国内では、東日本を中心に見舞われた台風や豪雨災害からの復旧作業が本格化しています。災害復興という急務に対し、合板の需要は一気に高まりました。高値の輸入ロットが到着する前に在庫を押さえておこうとする動きが活発化しており、現場の緊張感は一段と高まっている状況です。
市場の専門家や問屋の間では「2019年内には確実に値上がりに転じるだろう」との予測が支配的です。編集部としては、このコスト増が最終的な住宅価格や工事費に転嫁される懸念を拭えません。安定供給のためには国内産への切り替え促進など、輸入頼みの構造から脱却する議論が今こそ必要だと強く感じます。
コメント