日本の総合商社である三井物産は、2019年6月19日、アフリカ南東部に位置するモザンビークでの大規模な液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトについて、モザンビーク政府やアメリカの資源開発大手アナダルコ社などと、ついに最終合意に達したことを発表しました。この合意は、2008年の探鉱権益取得から実に10年以上の歳月を経ての到達であり、同社の世界的な資源戦略において極めて重要な一歩と言えるでしょう。このプロジェクトは2024年の生産開始を目指しており、日本のエネルギー安定供給に大きく貢献することが期待されています。
このモザンビークのプロジェクトが稼働すれば、三井物産のLNG年間生産量(持ち分ベース)は、2018年比でおよそ2倍となる1,000万トンという大台に乗ることが見込まれています。同社は2019年5月にもアメリカでLNG生産を開始しており、これらを合わせることで、イギリスのBPやアメリカのシェブロンといった世界のエネルギー業界を牽引する巨大企業に肩を並べる規模に到達することになります。この飛躍的な生産能力の増強は、三井物産が世界のエネルギー市場における主要プレイヤーとして確固たる地位を築くことを意味します。
三井物産のこのプロジェクトへの投資額は最大25億ドル(約2,700億円)に上るとされています。また、日本の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)も同額の出資を予定しており、日本勢全体での持ち分はプロジェクト全体の20%となり、アナダルコ社に次ぐ第2位の権益保有者となります。プロジェクト全体の年間生産量は1,200万トンが見込まれており、その9割以上は東京ガスをはじめとする日本のエネルギー企業への販売契約がすでに結ばれています。これは、日本にとって長期的なLNGの安定調達を可能にする、非常に意義深い成果です。
現在、世界的な環境規制の強化が進む中で、石炭よりも二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないLNGは、長期的に見て需要の拡大が見込まれるクリーンなエネルギー源として注目されています。そのような状況下で、今回のモザンビークからのLNG供給ルートの確保は、地政学的リスクへの対応という点でも大きな意味を持つのです。これまで日本の主要なLNG調達先であるカタールからの輸送ルートであるホルムズ海峡では、2019年に入って日本のタンカーが攻撃を受けるなど、安全保障上の懸念が高まっています。
アフリカ東海岸という新たな場所でのLNG開発は、輸送ルートの多角化に繋がり、特定地域の情勢不安に左右されないエネルギー供給体制の構築に貢献します。SNS上でも、「これで日本のエネルギー供給が少し安心できる」「アフリカに新たなルートができるのは大きい」といった、この地政学リスクの分散を評価する声が多く見受けられます。私は、今回の三井物産の決断は、単なる経済活動に留まらず、日本の**「エネルギー安全保障」を飛躍的に高める、先見の明に富んだ戦略的な一手であると強く評価いたします。資源小国である日本にとって、このような新たな調達先の開拓**は、国益を守る上で不可欠な取り組みでしょう。
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