中国eスポーツ熱狂の裏側!5億人の巨大市場を支える「国策ゲーマー」の実態と未来への懸念

上海の喧騒から少し離れたオフィス街の一角に、若者たちが情熱を燃やす戦場が存在します。ここは中国の人気動画プラットフォーム「ビリビリ」が運営するeスポーツの合宿所です。2019年11月27日現在、およそ60名の若者が寝食を共にし、一日の大半をデジタル空間での戦闘に捧げています。eスポーツとは、コンピューターゲームを用いた対戦をスポーツ競技として捉えるもので、今や世界中で熱狂的な支持を集めているのです。

かつて卓球のナショナルチーム候補だった曽国豪さんも、ラケットをマウスに持ち替えた一人です。18歳でこの門を叩いた彼は、現在「リーグ・オブ・レジェンド」という世界的に有名な対戦ゲームでトップクラスの評価を得ています。驚くべきはその待遇でしょう。訓練生であっても月給1万元(約15万5000円)が支給され、食費や宿泊費も無料です。一般的な工場の初任給が5000元程度であることを考えれば、彼らはまさにエリートと言えます。

SNS上では「好きなことでこれだけ稼げるのは夢がある」と羨む声がある一方、「卓球のエリートがゲームの世界へ行くなんて、時代の変化を感じる」と驚きの反応も広がっています。中国のゲーム人口はすでに5億人を超え、2019年の年間売上高は1000億元を突破する勢いです。これは、政府が2003年にeスポーツを正式な競技として認め、2016年には職業として公認したという「国策」による後押しが非常に大きいと考えられます。

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巨大資本の膨張と忍び寄る規制の影

この巨大市場を牽引しているのが、時価総額で任天堂を圧倒するテンセントなどの巨大IT企業です。プロゲーマーがスターとして輝くことでゲームの利用者層が広がり、莫大な利益が生まれる循環が確立されました。しかし、光が強ければ影もまた濃くなるものです。過度な没頭による「ゲーム障害」が国際的に精神疾患と認定されたことを受け、社会問題としての側面がクローズアップされるようになりました。

中国政府は2019年11月、未成年者に対する厳格なオンラインゲーム規制を打ち出しました。夜間のプレイ禁止や時間の制限、課金額の上限設定など、その内容は極めて厳しいものです。私は、この「国策」によって守られ成長してきたeスポーツが、皮肉にも同じ「国策」によって足元を掬われかねない現状に危うさを感じます。若者たちの才能を育む土壌が、国家のさじ加減一つで一変してしまうリスクは拭えません。

輝かしいプロの世界を目指す若者たちにとって、現在はまさに激動の時代と言えるでしょう。eスポーツが真のスポーツとして文化的に根付くのか、あるいは一時的なブームに終わるのか。国家の規制と市場の熱狂が複雑に絡み合う中で、2019年11月27日現在の中国eスポーツ界は、大きな分岐点に立たされています。次世代のスターたちの未来が、政治の波に飲み込まれないことを願わずにはいられません。

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