日本国内で「働き方改革」の波が押し寄せる中、私たちの労働環境は劇的な変化を遂げています。転職口コミサイトのオープンワークが公開したデータによれば、2012年には月平均46時間だった残業時間が、2018年には28時間へと大幅に減少しました。数字で見ると、私たちが会社に拘束される時間は確実に短くなっていると言えるでしょう。
しかし、この「時間のゆとり」は手放しで喜べるものばかりではありません。残業時間が減るということは、それだけ月々の給与に含まれていた手当が消えることを意味します。時給1500円と仮定して単純計算すると、毎月およそ2万7000円もの収入が家計から失われている計算になります。生活の質に直結するこの減収は、働く人々にとって深刻な問題です。
大和総研の試算によると、働き方改革の影響で削られる残業代は、2019年度には全国で2.1兆円という巨額に達する見込みです。一方で、浮いた人件費を基本給の引き上げなどで社員へ直接還元している企業は、現時点では決して多くありません。ビッグローブの調査では、毎月自由に使えるお金が「1万円未満」と回答した人が全体の3割に達しており、家計の厳しさが浮き彫りとなっています。
スキルを収益に変える!クラウドワークスやストアカが示す「副業」の熱気
こうした背景から、会社に依存せず自らの力で稼ぐ「副業」への関心が爆発的に高まっています。特に注目を集めているのが、自身の知識やノウハウを教える講師と学びたい個人を繋ぐプラットフォーム「ストアカ」です。運営するストリートアカデミーによれば、2019年9月時点で「先生」として登録している人数は2万2900人に達し、前年末から36%もの急増を見せています。
SNS上でも「浮いた時間で自分のスキルを売れるのは合理的」「会社以外の居場所ができて精神的にもプラス」といったポジティブな反応が相次いでいます。仕事終わりの「アフター5」を単なる休息時間として過ごすのではなく、自分の得意分野を収益化したり、新しいキャリアを形成したりするための「先行投資」の時間として活用する賢いビジネスパーソンが増えているようです。
また、インターネット上で不特定多数に仕事を依頼する「クラウドソーシング」の分野でも驚異的な成長が見られます。最大手のクラウドワークスでは、2019年9月時点の登録会員数が316万4000人を突破しました。これは2018年比で35.8%増、さらに2016年と比較すると約3倍という勢いです。副業はもはや一部の人の特別な働き方ではなく、一般的な選択肢になりつつあります。
私個人としては、この変化を非常に前向きなものと捉えています。これまでは会社という狭い組織の中でしか評価されなかった個人のスキルが、マーケットという広い舞台で正当に評価される時代がやってきました。残業代の減少という逆風を、自らの価値を高める「攻めのキャリア」へと転換できる人こそが、これからの時代を生き抜く強さを手にするのではないでしょうか。
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