【博報堂DY】2019年4〜9月期決算は減益もネット広告が躍進!デジタル投資と五輪需要で見据える逆転劇

広告業界の巨大な一翼を担う博報堂DYホールディングスが、2019年11月11日に最新の連結決算を発表しました。2019年04月01日から2019年09月30日までの半年間における純利益は、前年同期と比べて28%少ない197億円という結果になっています。一見すると厳しい数字に思えますが、その内幕を覗くと次なる成長への布石が透けて見えます。

今回の減益の大きな要因は、前年同期に計上していた子会社によるメルカリ株の売却益が大幅に減少したことや、年金制度の改定に伴う一時的な利益がなくなった反動によるものです。一方で、リクルートホールディングスの株式売却によって特別利益を確保したことで、2019年04月-06月期の時点よりも減益の幅を縮小させることに成功しています。

SNS上では「テレビ広告の苦戦は予想通りだが、ネット広告の伸びが頼もしい」「デジタル投資に本気を出しているのが伝わる決算だ」といった分析が飛び交っています。売上高は前年同期比3%増の6828億円と、着実に増収を確保している点についても、市場からは「底堅い推移」であると評価する声が多く寄せられているようです。

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マスコミ4媒体からデジタルへ!加速する「RPA」と人材への先行投資

広告市場の構造変化は、数字に克明に現れました。テレビや新聞などのいわゆる「4マスメディア」は前年を割り込みましたが、インターネット広告やマーケティング分野が大きく伸長しています。博報堂DYはこの変化に対応すべく、営業利益を40%減らしてまでも、未来に向けた積極的な投資を断行している状況にあります。

具体的には、デジタル分野に精通した人材の拡充や、「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の導入を進めています。RPAとは、これまで人間が行ってきた定型的な事務作業をソフトウェアのロボットに代行させる仕組みのことで、業務の効率化には欠かせません。さらに「M&A(企業の合併・買収)」も積極的に行い、グループの規模拡大を急いでいます。

また、会計上の「のれん償却費」がかさんだことも利益を押し下げました。「のれん」とは、企業を買収した際に支払った金額のうち、その企業の純資産を上回る「ブランド力や技術力」への対価を指します。これを毎年費用として計上することを償却と呼びますが、これは将来の収益力を手に入れるための、避けては通れないコストと言えるでしょう。

編集者としての私見ですが、今の博報堂DYは「筋肉質な組織への改造中」だと感じます。目先の純利益が減少していても、ネット広告の増収やデジタル投資の強化は、広告の主戦場が完全にネットへ移行している現状において正しい選択です。2020年の東京五輪に向けた大型イベント需要も控えており、攻めの姿勢を崩さない同社の底力に期待が高まります。

2020年03月期の通期予想では、純利益を440億円に見込んでいます。これは2019年10月31日に上方修正された数値であり、株売却の影響を差し引いた実質的な営業利益ベースでも増益を確保する計画です。五輪や展示会といった特大の需要をいかに効率よく取り込み、デジタルとリアルの融合を実現させるのか、博報堂DYの次なる一手から目が離せません。

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