2019年11月11日に開幕した大相撲九州場所ですが、2日目となる2019年11月12日、福岡国際センターは言葉を失うほどの衝撃に包まれました。なんと、番付の頂点に君臨する横綱、大関、関脇の全力士が敗北を喫するという、戦後数えるほどしかない異常事態が発生したのです。
今場所、唯一の横綱として土俵を支える白鵬関は、勢いに乗る平幕の大栄翔関と対戦しました。誰もが横綱の勝利を信じて疑いませんでしたが、鋭い出足に押された白鵬関は土俵外へと押し出され、早くも今場所初の黒星を喫してしまいました。金星を挙げた大栄翔関の気迫は、まさに鬼気迫るものがありました。
「金星(きんせい)」とは、平幕の力士が横綱から白星を挙げるという、力士にとって最大級の名誉を指す言葉です。大栄翔関にとって自身2度目となるこの快挙に、SNS上では「これぞ大相撲の醍醐味だ」「九州場所が初っ端から荒れすぎている」といった驚きと興奮の声が溢れかえっています。
大関陣も苦難の連続です。貴景勝関は、新小結として注目される朝乃山関の鮮やかな上手出し投げに転がされました。さらに、負け越せば大関から陥落する「かど番」という背水の陣で挑んでいる高安関も、阿炎関の突き押しに圧倒されて土がつきました。両大関ともに1勝1敗となり、今後の展開に暗雲が立ち込めています。
さらに追い打ちをかけるように、豪栄道関が左足首の負傷によって2019年11月12日から休場することが発表されました。看板力士たちの相次ぐ敗戦と離脱は、場所の行方を一気に不透明にしています。大関昇進を目指す関脇・御嶽海関も北勝富士関に敗れ、栃ノ心関も連敗を喫するなど、上位陣の苦戦が際立つ一日となりました。
日本相撲協会の記録によると、1場所15日制が確立した1949年以降、出場した関脇以上の力士が全員負けるのは、2019年5月の夏場所11日目に次いで史上2度目の珍事だそうです。まさに歴史の目撃者となった気分ですが、個人的には、こうした波乱こそが若手や中堅力士の下克上を促し、相撲界をさらに熱く盛り上げてくれるのではないかと期待しています。
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