2019年11月29日現在、世界の金融市場は熱を帯びています。米国株が史上最高値を塗り替える中、長らく出遅れていた日本株や欧州株にも資金が流入し始め、世界的な株高基調が鮮明となってきました。しかし、その華やかさの裏側では、米中貿易摩擦の行方や世界景気の減速懸念が影を落としています。この複雑な局面で、長期マネーを動かす「プロ中のプロ」はどう動くのでしょうか。
今回は、米モルガン・スタンレーのチーフ・クロスアセット・ストラテジストであるアンドリュー・シーツ氏に、今後の展望を詳しく伺いました。ストラテジストとは、経済統計や政治情勢を分析し、どの資産に投資すべきか道筋を示す羅針盤のような存在です。SNS上では「米国株は高すぎて手が出せない」「次は日本株の出番か?」といった投資家たちの期待と不安が入り混じった声が飛び交っており、同氏の分析に大きな注目が集まっています。
シーツ氏は、現状の株高について「景気回復を先取りしすぎている」と警鐘を鳴らします。米中協議が順調に進めば2020年にかけての持ち直しが期待できますが、勢いは鈍化すると予測しています。特に割高な米国株には「弱気」な姿勢を示す一方、日本株については「あまりに割安に放置されてきた」と指摘し、そのポテンシャルを高く評価している点が非常に印象的でした。
日本株の命運を握る「ROE」と政治的安定感
日本株への投資判断において、シーツ氏が最も重視しているのが「ROE(自己資本利益率)」の向上です。ROEとは、企業が株主から預かったお金をどれだけ効率よく使って利益を出したかを示す指標です。同氏は、日本で進む企業統治改革が本物であり、これが継続的な株価上昇のストーリーを描くと見ています。また、2020年の米国大統領選を控えた不透明な情勢下で、日本の政治的な安定感は投資家にとって大きな魅力に映るでしょう。
ただし、米中交渉については依然として慎重な見極めが必要です。現在は「一時休戦」が基本シナリオですが、合意が実現したとしても手放しでは喜べません。関税を恐れて在庫を積み増していた企業が、一転して在庫削減に動けば、新規受注が冷え込むリスクがあるからです。私個人の意見としては、こうした「数字の裏にある企業の動き」まで注視する同氏の視点こそ、今の不安定な市場を生き抜くために不可欠な知恵だと確信しています。
メディア編集者として付け加えるならば、世界中のプロが日本市場の「変革」に目を向け始めている事実は、私たちにとって非常に力強いニュースです。単なるブームではなく、企業の実力が評価される時代が来ているのかもしれません。2020年に向けて、表面的な株価の上下に惑わされず、在庫統計や企業統治の進化といった「本質」を見極める目を持つことが、賢明な投資への第一歩となるでしょう。
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