長野県に本社を置き、産業用インクジェットプリンターの世界でその名を知られるミマキエンジニアリングが、2020年3月期の連結業績予想を下方修正しました。2019年11月14日に発表された最新のデータによれば、最終的な儲けを示す純利益は前期比で79%も減少する3億5000万円にとどまる見通しです。これは当初の予想を9億5000万円も下回る衝撃的な数字であり、同社を取り巻くビジネス環境がいかに急速に厳しさを増しているかを物語っているでしょう。
業績失速の背景には、主要市場である欧州での景気後退が影を落としています。特に主力商品である広告・看板印刷向けのプリンター販売が振るわず、利益を大きく削る要因となりました。売上高こそ2%増の564億円と微増を維持する構えですが、本業の稼ぎを示す営業利益は52%減の14億円にまで沈み込む予測です。企業の成長を支えてきた屋台骨が、国際情勢の荒波に揉まれている様子が伺えます。
激化する市場競争と新製品への端境期がもたらした影
苦戦を強いられているのは外部環境のせいだけではありません。広告・看板向け市場ではライバル企業の新規参入が相次いでおり、激しいシェア争いが勃発しています。ここで言う「シェア」とは、市場全体における特定の企業の製品が占める割合のことですが、この奪い合いが収益性を圧迫しているのです。さらに、ギフトカードや小物への印刷に重宝される小型プリンター部門も、新モデルへの切り替え時期にあたる「端境期(はざかいき)」に重なり、買い控えが起きています。
2019年4月1日から2019年9月30日までの連結中間決算を振り返っても、売上高は3%増の273億円を確保したものの、純利益は76%減の1億8100万円という厳しい着地となりました。SNS上では「技術力はあるだけに、この減益幅はショックだ」「欧州の影響がここまで大きいとは」といった、驚きと懸念の声が広がっています。投資家の間でも、今後の回復シナリオをどう描くのか、慎重な見極めが必要だというムードが漂い始めているのが現状です。
編集者の視点から申し上げれば、ミマキエンジニアリングの現状は決して楽観視できるものではありません。しかし、端境期を乗り越えて投入される新製品のポテンシャルには期待が持てます。技術革新が激しい業界だからこそ、この「溜めの期間」をどう活かすかが、次期以降のV字回復に向けた鍵を握るはずです。グローバルな景気動向を完全に制御することは不可能ですが、独自の強みを研ぎ澄まし、競合他社を突き放すスピード感のある戦略展開を期待してやみません。
コメント