近年、社会問題として大きくクローズアップされている高齢ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違い事故ですが、熊本県が全国に先駆けて心強い支援策を打ち出しました。蒲島郁夫知事は、2019年11月14日の記者会見において、安全運転を支援する「踏み間違い防止装置」の設置費用を公的に補助する方針を明らかにしています。この制度は、県内に住む70歳以上の方々を対象としており、1台あたり最大で3万円という手厚いキャッシュバックが受けられる見通しです。
注目の導入時期は2020年1月1日からを予定しており、悲惨な事故を未然に防ぐための実効性のある一手として期待されています。「踏み間違い防止装置」とは、壁などの障害物を検知して急加速を抑制したり、ペダルの踏み込み具合を判別してエンジン出力をカットしたりする後付け可能な安全装置のことです。これにより、既存の愛車に乗り続けながら最新の安全機能をプラスできるため、新車への買い替えが難しい世帯にとっても非常に魅力的な選択肢となるに違いありません。
くまモンが守る交通安全!ナンバープレートの寄付金を有効活用
今回の施策で特筆すべき点は、そのユニークな財源の確保方法にあります。なんと、熊本県のシンボルとして愛されている「くまモン」をデザインした地域振興ナンバープレートの寄付金が充てられることになりました。具体的には、2018年10月01日から2019年02月28日までのわずか5カ月間で集まった約400万円が原資となります。自分の車を可愛く彩るための善意が、巡り巡って地域の高齢者の命を守る活動へと繋がるこの仕組みは、まさに理想的な循環と言えるでしょう。
インターネット上のSNSでも、この取り組みに対して「くまモンの力が安全に繋がるのは素晴らしい」「自分の県でも導入してほしい」といったポジティブな反応が相次いでいます。熊本県のような地方都市では、都市部ほど公共交通機関が網羅されていないため、日常生活における買い物や通院にはどうしても自家用車が手放せないという現実があります。免許返納を急かすだけではなく、いかにして現役ドライバーの安全を担保するかという視点は、これからの日本社会において極めて重要です。
筆者の個人的な見解としても、今回の熊本県の決断は非常に理にかなったものだと確信しています。安全技術は日進月歩ですが、それが一部の富裕層や新車購入者にしか届かないのであれば意味がありません。補助金を通じて「後付け装置」の普及を促すことは、コストパフォーマンスの面でも事故削減の近道となるはずです。2020年1月から始まるこの制度が、熊本県全域で高齢者の豊かなカーライフを支え、交通事故のない未来を築くための大きな一歩となることを願ってやみません。
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