秋の味覚が食卓を彩る季節となりましたが、私たちの生活に欠かせないお肉の供給状況に変化の兆しが見えています。農畜産業振興機構が2019年11月15日に発表した食肉需給予測によれば、2019年9月から11月にかけての牛肉輸入量は、前年の同じ時期と比べて5.4%ほど減少する見通しです。
こうした動きの背景には、国内における牛肉需要の伸び悩みがあるようです。市場の動向に敏感な商社などは、在庫が過剰になることを避けるために海外からの買い付けを慎重に控えています。SNS上では「最近スーパーの牛肉が高い気がする」といった消費者の切実な声も散見され、買い控えの影響が数値として現れた形と言えるでしょう。
和牛と乳牛のハイブリッド「交雑牛」の需要と課題
一方で、国内の牛肉生産量は平均で0.3%ほど微増し、2万9600トン程度になる模様です。ここで注目したいのが「交雑牛(こうざつぎゅう)」の存在です。これは、肉質の優れた黒毛和種などの「和牛」と、ホルスタインなどの「乳用種」を掛け合わせた牛のことを指し、両者の良いとこ取りをした存在として知られています。
交雑牛は、和牛のような美しい「サシ(赤身の間に入る網目状の脂肪)」を適度に持ちながら、和牛よりも手頃な価格で購入できるため、非常に人気が高まっています。しかし、需要は旺盛なものの生産体制が追いつかず、供給が頭打ちになっている点は懸念材料です。希少性が増すことで、価格も上昇傾向にあるのが現在の厳しい状況です。
豚肉に目を向けると、輸入量は1.8%増加する一方で、国内生産量は1.1%減少する見込みです。対照的に鶏肉は4.3%増の14万トンと好調な予測が出ています。私個人としては、高級な和牛だけでなく、交雑牛のような「質と価格のバランス」に優れた食材が安定して供給される仕組み作りが、今後の豊かな食卓を守る鍵になると考えています。
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