要介護でも温泉を諦めない!九州で広がる「誰もが旅を楽しめる」バリアフリー観光の最前線

年齢を重ねて体が不自由になったり、寝たきりの状態になったりすると、大好きな温泉旅行を諦めてしまう方は少なくありません。しかし今、九州ではそんな常識を覆す素晴らしい取り組みが加速しています。佐賀県嬉野市の「佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター(BFTC)」と、福岡県糸島市の「民間救急らかん」が手を取り合い、要介護者でも安心して湯煙を楽しめる環境づくりに乗り出したのです。

このプロジェクトが目指すのは、心身の状態に関わらず「すべての人にやさしい観光地」を増やすことです。2019年11月15日現在、彼らは大分県や鹿児島県のツアーセンターとも広域的な連携を開始しました。SNS上では「親を温泉に連れて行きたいけれど不安だったから、こういう仕組みは本当にありがたい」「九州全体の観光力が底上げされそう」といった期待の声が数多く寄せられ、大きな注目を集めています。

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医療のプロが寄り添う安心のサポート体制

重篤な疾患を抱える方の旅行には、一般的なバリアフリー以上の備えが求められます。ここで重要な役割を担うのが「民間救急」という存在です。これは緊急性のない搬送を担う民間のサービスで、酸素吸入や点滴、吸引といった医療処置が可能な専用車両を備えています。専門知識を持つスタッフが同行することで、移動中のリスクを最小限に抑えられる点が最大の強みといえるでしょう。

具体的な流れとしては、まず「民間救急らかん」が主治医と連絡を取り、旅行が可能かどうかを慎重に見極めます。2019年10月に鳥栖市で開催された検討会でも、入浴介助ヘルパーの確保や地元医療機関との連携強化について熱い議論が交わされました。単なる「移動手段」の提供に留まらず、現地の受け入れ態勢までをトータルでコーディネートする緻密な計画こそが、安全な旅の鍵を握るのです。

佐賀嬉野BFTCは2007年の設立以来、着実に実績を積み重ねてきました。現在では13の施設に21ものバリアフリー客室が完備されており、今後もさらにその数は拡大する見込みです。利用者は、搬送や介助の費用を民間救急側に、宿泊費を旅館側に支払う仕組みとなっています。旅のハードルを一つずつ丁寧に取り除いていくこのモデルは、超高齢社会における観光のあり方を提示しているのではないでしょうか。

編集部が考える「旅のバリアフリー」の未来

筆者は、この取り組みこそが2020年の東京五輪・パラリンピック以降も続く「真の共生社会」への試金石になると確信しています。身体的な制約があるからといって、思い出作りを諦める必要はありません。九州全域が手を取り合うことで、点のサービスが線のネットワークへと進化し、より多くの家族に笑顔をもたらすはずです。こうした広域連携が日本全国に広がり、温泉文化がより開かれたものになることを切に願います。

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