空の旅を彩る極上の味わいが、ついに私たちの食卓へ舞い降ります。ANAホールディングスは、機内食製造で培った卓越した技術を凝縮した新食品ブランド「ANA FINDELISH(ANAファインデリッシュ)」を2019年11月20日に発表しました。これは、航空事業の枠を超えた成長を目指すグループ戦略の柱として注目を集めています。
これまで機内という特別な空間でしか堪能できなかったクオリティを、日常のひとときにお届けするというコンセプトには、早くもSNS上で「あのカレーが家で食べられるなんて最高」「旅行気分を自宅で味わいたい」といった期待の声が溢れています。単なる機内食の再現に留まらない、ブランドの新しい挑戦が幕を開けたのです。
プロの技術が光る「外販事業」とシェフ監修のこだわり
今回の新ブランドを支えるのは、機内食の企画から製造までを一手に担うプロフェッショナル集団「ANAケータリングサービス(ANAC)」です。ここでいう「外販事業」とは、航空機内での提供に限定せず、一般の消費者向けにデパートやオンラインショップなどで商品を販売するビジネスモデルを指しており、同社が2016年から展開してきた事業の進化系といえます。
以前は「ANAおいしいコレクション」という名称で親しまれていましたが、今回の刷新により、よりプレミアムな価値を追求する姿勢が明確になりました。特筆すべきは、実際にファーストクラスの料理を創り上げる熟練のシェフが、自らレシピを監修したオリジナルカレーの登場です。地上でしか味わえない、特別な一皿が完成しました。
さらに、このブランドは地方創生の役割も担っています。富山や高知、長崎といった日本各地の名店とタッグを組み、その土地ならではの本格的な風味を再現したラインナップも魅力の一つです。ANAのネットワークを活かした食材選定は、まさに「食のアンバサダー」としての誇りを感じさせ、消費者の知的好奇心と食欲を同時に満たしてくれるでしょう。
3年後の目標と空のブランドが描く未来図
ANAグループは、現在わずか1%に留まっている個人向け売上高の比率を、3年後には5%程度まで引き上げるという野心的な目標を掲げています。航空需要に左右されない強固な収益基盤を作るためには、ファンとの接点を地上でも増やすことが不可欠であり、この新ブランドはそのための非常に強力な武器になるはずです。
編集者としての視点では、この取り組みは単なる「お土産販売」の延長ではなく、ANAというブランド価値をライフスタイル全般に浸透させる高度なマーケティング戦略だと感じます。空の上での感動を「味覚」として持ち帰り、家庭で共有する体験は、結果として再び飛行機に乗りたいと思わせる素晴らしいサイクルを生むに違いありません。
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