2023年に予定されている北陸新幹線の福井延伸を控え、福井市の街並みが劇的な変化を遂げようとしています。現在、市内に点在する空き家や閉業した店舗といった「遊休不動産」を、民間の力で魅力的なスポットへ再生させるリノベーションの動きが加速しているのです。
こうした取り組みはSNSでも「古いビルがオシャレなカフェに変わるのが楽しみ」「地元の風景が守られるのは嬉しい」といった期待の声が寄せられています。歴史ある建物を壊すのではなく、知恵を絞って再活用する姿勢が、感度の高い若者やクリエイターの心を掴んでいるのでしょう。
若き才能が挑む!街の魅力を引き出す3つのユニークな提案
2019年11月4日、福井駅前の「響のホール」にて、リノベーション提案イベント「DiscoVeRe-FUKUI(DRF)」の成果発表会が開催されました。プロの建築家から厳しい指導を受けつつ、参加者たちが2ヶ月かけて練り上げた、街の未来を象徴する3つのプランが披露されています。
今回提案されたのは、公共施設を公園カフェへ変える案や、地元の伝統的な織物を扱う「端切れ屋」への再生、そして未活用の果物店を「地元野菜の販売所」にするプロジェクトです。特に野菜販売を提案した大学生は、2019年11月末のオープンを目指し、所有者との直接交渉にまで踏み込んでいます。
「リノベーション」が育む街への愛着と持続可能なビジネス
リノベーションとは、既存の建物に大規模な改修を施し、用途や機能を変更して性能を向上させることを指します。単なる修繕である「リフォーム」とは異なり、建物に新しい価値や物語を吹き込むことで、エリア全体に賑わいを生み出すことが最大の目的です。
この手法は2011年に北九州市で始まった「リノベーションスクール」が発祥で、実在する物件を対象に収支計画まで含めた事業案を作るのが特徴です。福井市でも2015年からこの流れを汲む活動が続いており、過去には使われなくなった雑居ビルが人気のカフェやバーに生まれ変わる実績も残しています。
編集者の視点:補助金に頼らない「民間の底力」が試される時
私個人としては、この活動が2019年度にクラウドファンディングで資金を集めて開催された点に、強い意志と希望を感じます。行政の補助金が終了した後も、市民が自らの手で街を良くしようと動く姿こそ、真の意味での「自走するまちづくり」だと言えるのではないでしょうか。
もちろん、情熱だけではビジネスは継続できません。発表会で講師から飛んだ「収支計画」への厳しい指摘は、プロジェクトを一時的な流行で終わらせないための愛のムチでしょう。新幹線開通という千載一遇のチャンスを前に、福井の個性が詰まった「一点物」の空間が街中に増えていくことを期待せずにはいられません。
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