円の「本当の価値」が4割も低下?実質実効為替レートから見る日本経済の現在地

私たちが日々目にするニュースでは「1ドル=何円」という為替レートが注目されがちですが、実はそれだけでは見えてこない「お金の本当の実力」が存在します。2019年11月17日現在、専門家の間で注目を集めているのが「実質実効為替レート」という指標です。これは、特定の通貨ペアだけでなく、世界各国の貿易量や物価水準の違いを総合的に加味して算出される、いわば通貨の「通信簿」のようなものだと言えるでしょう。

この指標を算出しているのは、スイスに本部を置く「中央銀行の中の中央銀行」とも呼ばれる国際決済銀行(BIS)です。BISは2010年の数値を100として指数化しており、日本銀行もこのデータを重要な参照指標として活用しています。SNS上では「ドル円が変わらなくても、海外旅行に行くと物価が高く感じるのはこのせいか」といった、生活実感に即した鋭い反応が相次いでおり、個人の購買力に直結する数字として関心が高まっています。

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「通貨の総合力」が示す衝撃の事実

実質実効為替レートが上昇すれば通貨の価値が高まったことを示し、逆に下落すれば「通貨の実力」が弱まったことを意味します。例えばこの指数が1割低下した場合、海外から同じ商品やサービスを輸入する際に、円建てでの支払額が実質的に1割増えてしまう計算になります。表面上の為替レートが動かなくても、私たちの財布からこぼれ落ちる価値は、知らぬ間に増大している可能性があるのです。

2000年代以降の推移を振り返ると、非常にショッキングな事実が浮かび上がります。円の対ドルレートは2000年初頭と現在でほぼ同水準を維持していますが、実質実効為替レートで見ると、この約20年間で円の実力は約4割も減少してしまいました。世界的な物価上昇に日本の賃金や物価が追いついていないことが、円の「購買力」をじわじわと削り取っている現状が浮き彫りになっています。

インターネット上では「日本が安売りされているようで悲しい」という声や、「輸出企業には有利だが、生活コストは上がる一方だ」といった複雑な心境が吐露されています。私個人としても、数字上の円安以上に、他国と比較した際の「稼ぐ力」の停滞がこの指数に凝縮されていると感じます。単なる円安・円高の議論を超え、日本経済が再び世界で存在感を示すための構造的な変革が、今まさに求められているのではないでしょうか。

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