日本の未来を左右する教育と科学技術の予算編成が、いよいよ正念場を迎えています。2019年11月29日現在、文部科学省が提示した2020年度予算の概算要求額は5兆9689億円に達しました。これは2019年度当初予算と比較して12%もの大幅な増額となっており、もし予算が6兆円の大台を突破すれば、実に2004年度以来という歴史的な規模になります。
今回の予算編成で最も注目されているのが、2020年4月からスタートする予定の「高等教育の修学支援新制度」です。これは大学や専門学校の授業料減免を行うもので、政府は必要予算を7600億円と試算しています。SNS上では「ようやく負担が減る」と期待する声が上がる一方で、「財源は大丈夫なのか」という不安の声も入り混じり、国民の関心は最高潮に達しています。
家計を支える無償化の波と財源の現実
支援の対象となるのは、住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯の学生たちです。この壮大なプロジェクトの原資には、2019年10月1日に引き上げられた消費税10%による増収分が充てられる計画となっています。また、私立高校の授業料実質無償化も同時に進められ、年収590万円未満の世帯を対象に、平均授業料を考慮した支援金が支給される見通しです。
教育機会の平等を実現することは、国家の基盤を作る上で極めて重要な一歩だと言えるでしょう。しかし、限られた予算を賢く使うためには、単に配るだけでなく「メリハリ」のある配分が不可欠です。そこで今、議論の的となっているのが、長らく前例踏襲で推移してきた国立大学への「運営費交付金」に対するメス入れなのです。
国立大学が反発する「成果配分」の衝撃
財務省は2019年度から、交付金の一部を「成果配分枠」として運用し始めました。これは若手研究者の割合や外部資金の獲得実績といった客観的なデータに基づき、大学を相対評価して予算を割り振る仕組みです。2020年度はこの枠をさらに拡大する方針ですが、これに対し大学側からは「研究の継続性が失われる」と、激しい反発の声が上がっています。
「事項要求」として金額を明示せずに要望を出している項目も多いため、年末に向けた予算編成はさらなる激論が予想されます。個人的な見解を述べさせていただければ、教育への投資は「コスト」ではなく「未来への貯金」です。だからこそ、数字上の成果だけにとらわれず、日本の知財を支える現場が疲弊しないような、温かみのある予算配分を期待して止みません。
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