石油化学製品のアジア市場価格が急落!中韓の設備増設と需要停滞が招く「石化不況」の波紋

2019年10月29日、アジアの石油化学業界に激震が走っています。プラスチックや合成繊維の基礎となるエチレンをはじめとした石化製品の市場価格が、軒並み下落に転じているのです。特に中国や韓国において、石化原料を生産するための大規模なプラントの新増設が相次いだことが、供給過剰を招く大きな要因となりました。

一方で、需要側の勢いは驚くほど精彩を欠いています。世界最大の消費国である中国では、2019年10月上旬の大型連休が明けた後も、本来期待されていた買いの動きが戻ってきません。景気の先行き不透明感が影を落とし、工場などの川下産業が様子見姿勢を強めていることが、価格の下押し圧力に拍車をかけている状況です。

ここで注目すべきは、専門用語で「スプレッド」と呼ばれる製品と原料の価格差の縮小でしょう。石化製品の主要な原料は、原油を蒸留して得られる「ナフサ(粗製ガソリン)」ですが、このナフサ価格は底堅く推移しています。出口の製品価格が下がる一方で入口の原料費が高いままでは、メーカーの利益は削られる一方と言わざるを得ません。

SNS上では、この事態に対して「プラスチック製品のコストダウンに繋がるのでは」と期待する声がある一方で、投資家界隈からは「石化メーカーの業績悪化が避けられない」といった悲観的な意見が目立ちます。需要と供給のバランスがこれほどまでに崩れると、市場の自浄作用が働くにはかなりの時間を要するのではないでしょうか。

編集者としての視点ではありますが、今回の中韓による設備増設ラッシュは、少しばかり時期が悪かったように感じてなりません。環境意識の高まりによる「脱プラスチック」の流れが加速する中で、供給能力だけを肥大化させる戦略は、将来的に業界全体の首を絞めるリスクを孕んでいます。目先の需要回復を待つだけでは、この苦境を乗り越えるのは難しいでしょう。

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