英国の運命を決める12月の総選挙!「ジョンソン新合意」が招くEU離脱の難路と日本のメディア編集者が読み解く未来

イギリスのEU離脱、いわゆる「ブレグジット」を巡る混乱が、2019年11月22日現在、いよいよ正念場を迎えています。ボリス・ジョンソン首相が掲げる「10月末の離脱」という公約は、英下院の抵抗により2020年01月31日までの延期を余儀なくされました。これを受け、2019年12月12日に予定されている総選挙の結果が、英国と欧州の未来を左右する最大の分岐点となります。

ここで改めて整理しておきたいのが、ジョンソン首相がEU側とこぎ着けた「新合意」の中身です。以前のメイ前首相の案では、アイルランド島での厳格な検問を避けるため、英国全体が事実上EUのルールに縛られ続ける「バックストップ(安全策)」が含まれていました。しかし、新合意ではこの安全策を削除し、代わりに北アイルランドのみをEUの関税ルールや物品規制の中に残すという、いわば「経済特区」のような極めて特殊な体制を提案しています。

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複雑に絡み合う「二重税関体制」と国内の反発

この「二重税関体制」とは、北アイルランドが公式には英国の関税圏にありながら、実質的にはEUの関税同盟に留まる仕組みです。これによりアイルランド島内の陸地国境に検問所を設けずに済みますが、一方で英国本土と北アイルランドの間で税関検査が必要になります。SNSでは「同じ国の中で関税の壁ができるのか」と驚きの声も上がっていますが、この妥協こそがジョンソン首相がEUから引き出した「切り札」だったのです。

しかし、この案は身内からの猛烈な批判を浴びています。閣外協力をしていた北アイルランドの民主統一党(DUP)は、「本土から切り離される屈辱的な内容だ」として猛反対しています。メディア編集者の視点で見れば、この「国内の分断」こそが、選挙後の政権運営を最も危うくさせる火種になると考えられます。保守党が過半数を得られない「ハング・パーラメント(宙吊り議会)」になれば、再び交渉は迷走するでしょう。

想定される4つのシナリオと今後の展望

今回の総選挙後の展開は、大きく4つのシナリオに分かれます。最も可能性が高いとされるのは保守党の単独過半数ですが、小選挙区制の魔術により、得票率が高くても議席が伸び悩むリスクは常に付きまといます。もしジョンソン首相が勝利すれば、2020年01月31日までの秩序ある離脱は現実味を帯びますが、その後の自由貿易協定(FTA)交渉という「真の難所」が待ち構えています。

一方で、労働党が政権を握れば、EUとの再々交渉を経て「離脱か残留か」を問う2度目の国民投票が行われる可能性もあります。SNS上では「もう一度投票させてほしい」という残留派の期待と、「いい加減に決着をつけてくれ」という離脱派の苛立ちが激しく衝突しています。筆者としては、どの道を選んでも英国がかつてのような「欧州統合の優等生」に戻ることは難しく、欧州全体が長期的な停滞に陥るリスクを懸念せざるを得ません。

EU側は、秩序ある離脱を望みつつも、英国による「分割統治」を警戒しています。2020年という新たな年を目前に控え、英国民がどのような審判を下すのか。2019年12月12日の投開票日から目が離せません。この決断は、単なる一国の問題ではなく、世界の経済秩序を揺るがす巨大な転換点となるはずです。

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