日本のお茶の間で長く愛され続けてきた大分県の麦焼酎「いいちこ」が、今まさに海を越え、米国のバーシーンで新たな流行を巻き起こそうとしています。製造元である三和酒類株式会社は、2019年11月18日、ニューヨークやシカゴといった大都市をターゲットに、本格的な米国進出を加速させることを明らかにしました。
今回の戦略の目玉は、現地のバーテンダーから直接フィードバックを受けて開発された新商品「iichiko 彩天(さいてん)」です。SNSでは「あの『下町のナポレオン』がスタイリッシュなカクテルになるなんて!」といった驚きの声や、海外進出を応援するポジティブな反応が数多く寄せられています。
カクテルベースとしての最適解!「iichiko 彩天」のこだわり
「iichiko 彩天」は、従来の焼酎のイメージを覆す43度という高いアルコール度数が最大の特徴です。これは、カクテルのベースとなる際に他の副材料と混ぜても、お酒本来のパンチや個性が失われないための工夫といえるでしょう。一般的に日本の焼酎は20度から25度程度が主流ですが、カクテル文化が根付く米国市場に合わせた大胆な設計がなされています。
特筆すべきは、原料のすべてに大麦麹を使用する「全麹仕込み」という贅沢な製法を採用している点です。これにより、カクテルにした際にも負けない深いコクと、大麦由来の豊かな旨みが引き出されています。下田雅彦社長も、味わいの深みにはかなりの自信をのぞかせており、プロのバーテンダーにとって扱いやすい一本に仕上がったと確信しているようです。
ボトルデザインにも抜かりはなく、日本の伝統的な「竹」を彷彿とさせる直線的で美しい造形が、現地のカウンターでひと際存在感を放つに違いありません。価格帯は30ドルから35ドル程度を想定しており、プレミアムなカクテルベースとして3年後には年間10万本の出荷を目指すという、非常に野心的な計画を掲げています。
編集者の視点:日本発の「SHOCHU」が世界のスタンダードへ
これまで焼酎といえば、食事と一緒に楽しむ「和食のパートナー」という印象が強かったかもしれません。しかし、今回の三和酒類の挑戦は、焼酎をジンのような「スピリッツ」の一つとして世界に再定義させる素晴らしい一歩だと私は確信しています。特定の文化圏に留まらず、現地の嗜好に合わせて形を変えていく柔軟な姿勢こそが、グローバル市場で成功する鍵となるでしょう。
「全麹仕込み」という言葉になじみがない方もいるかもしれませんが、これは発酵のスターターである「麹」をすべての原料に使用する贅沢な手法です。これにより、雑味を抑えつつも濃厚な風味を実現できるのです。2019年11月18日の発表を機に、世界中のバーで「iichiko」の名が響き渡り、日本の伝統技術がカクテルグラスの中で輝く未来が今から非常に楽しみでなりません。
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