日本が誇る銀世界の聖地、志賀高原が今、大きな転換期を迎えています。長野県山ノ内町に広がるこの広大なリゾート地で、長年の課題だった廃屋の撤去がついに動き出しました。入会地を管理する一般財団法人和合会は、2019年度中を目処に最大5カ所の廃業ホテルなどを解体する方針を固めたのです。
かつてのスキーブームを支えた名門ホテルたちが、役目を終えて静かに佇む光景は、訪れる人々に一抹の寂しさを感じさせてきました。SNS上でも「景色は最高なのに、廃墟が目立つのがもったいない」といった声が多く寄せられていただけに、今回の決断はファンにとって待望のニュースと言えるでしょう。
国立公園の景観を守る!総額約4億円の解体プロジェクト
今回のプロジェクトで対象となるのは、熊の湯ほたる温泉地区の旧「志賀プリンスホテル」や、発哺温泉地区の旧「天狗の湯」など、かつての賑わいの中心地です。これらの施設は上信越高原国立公園という、厳格な自然保護が求められるエリアに位置しており、景観の維持はブランド力に直結する死活問題でした。
和合会の竹節喜栄理事長は、所有者が放置した建物に対して「手を出せずにいた」と苦渋の決断を語っていましたが、2019年、大きな追い風が吹きました。環境省の「国立公園利用拠点滞在環境等上質化事業」に採択され、国からの強力な支援が得られることになったのです。
この事業には3億9600万円という巨額の予算が投じられ、2020年の年明け早々にも解体工事がスタートする予定です。予算の関係で全ての物件を一度に壊せるかは精査中とのことですが、志賀高原の「負の遺産」を解消しようとする確かな一歩が刻まれようとしています。
冬だけじゃない!四季を楽しむ「通年営業」への招待状
更地となった跡地には、単なる宿泊施設だけでなく、川遊びやグランピング、日帰り入浴施設といった「通年型」のレジャー拠点を誘致する構想があります。ここで重要になる「入会地(いりあいち)」とは、地域住民が共同で利用・管理してきた土地のことで、志賀高原では和合会がその伝統を守ってきました。
かつては外部資本を拒んでいたこの組織も、2008年からは積極的に門戸を開いています。近隣の白馬村や野沢温泉村が、春から秋にかけてのアクティビティで成功を収め、地価を上昇させている現状を鑑みれば、この方針転換は極めて賢明な判断だと私は確信しています。
既に2018年には横手山・渋峠スキー場に展望テラスが誕生し、2019年の夏には星空を楽しめる夜間リフトも運行されました。冬の樹氷ツアーは外国人観光客からも絶大な支持を得ており、志賀高原が持つポテンシャルは、私たちが想像する以上に底知れないものがあります。
さらに2020年度以降には、バスターミナルやスキー場などに約40機の無線LAN設備も設置される予定です。世界基準のリゾートへと脱皮を図る志賀高原が、再び日本を代表する観光地として輝きを取り戻す日は、そう遠くない将来にやってくるでしょう。
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