2019年12月02日、日本の入管制度を揺るがす衝撃的なニュースが飛び込んできました。兵庫県警捜査2課は、在福岡ベトナム総領事館の幹部に対して現金15万円を渡したとして、ベトナム国籍の会社員、ズオン・ティ・テー容疑者を逮捕したのです。容疑は「不正競争防止法」違反。聞き慣れないかもしれませんが、実はこの法律、外国の公務員に対して賄賂を贈る行為も厳しく禁じており、贈賄側の外国人がこの容疑で逮捕されるのは全国で初めてのケースとなります。
事件の舞台裏を覗くと、SNSを巧妙に利用した「在留資格仲介」の実態が見えてきます。テー容疑者は2016年ごろから、Facebookなどの会員制交流サイトを通じて「日本に長く居たい」と願うベトナム人たちの客引きを行っていました。本来、観光などの「短期滞在」で入国した人は、日本国内で婚姻証明書などの重要な書類を取得することはできません。しかし、彼女はその「壁」を、現金の力で強引に突破しようと試みたのでしょう。
今回、賄賂を受け取ったとされるのは、当時副領事や領事の肩書で勤務していた38歳のベトナム人男性です。彼は2017年05月から2019年01月にかけて、本来は発行できないはずの証明書類を5人のベトナム人のために不正に作成した疑いが持たれています。驚くべきことに、彼の口座にはテー容疑者から約200回、合計で約400万円もの大金が振り込まれていました。これは単なる「お礼」の範疇を大きく超えた、組織的な癒着を感じさせます。
インターネット上では、このニュースに対して「真面目に働いているベトナム人のイメージまで悪くなる」「入管制度の盲点を突いた悪質な犯行だ」といった厳しい声が相次いでいます。また、「氷山の一角ではないか」という不安の声も広がっており、SNSを通じて不透明な取引が行われている現状に、多くの人が警鐘を鳴らしています。公正な手続きを信じて待つ人々を裏切る行為は、決して許されるものではありません。
不透明な在留支援の代償と今後の課題
今回の事件で適用された「外国公務員への贈賄」の規定ですが、皮肉なことに、日本の法律では賄賂を受け取った側の外国人公務員を処罰する規定が存在しません。この領事館幹部は2019年07月に既に日本を出国しており、法的な追及が難しいのが現状です。在福岡ベトナム総領事館側も「コメントできない」と口を閉ざしていますが、外交特権の裏側でこのような不正が行われていたのであれば、看過できない大問題だと言えるでしょう。
私は、今回の事件が日本の多文化共生社会における「闇」を象徴していると感じます。人手不足を背景に外国人の受け入れが進む一方で、制度の複雑さを利用して私腹を肥やすブローカーが暗躍する土壌ができてしまっています。SNSでの集客が容易になった今、私たちは情報の真偽をより厳しく見極める必要があります。今回の摘発を機に、不透明な仲介ビジネスが根絶され、クリーンな在留手続きが徹底されることを切に願います。
コメント