インターネットの世界を支える広告ビジネスのあり方が、今まさに大きな転換点を迎えています。2019年11月26日、日本新聞協会は政府のデジタル市場競争会議が開催した作業部会において、米国のグーグルをはじめとする巨大IT企業、いわゆる「プラットフォーマー」への規制と透明化を強く求めました。現在、政府はデジタル広告市場における寡占化が不当な不利益を生んでいないか調査を進めており、今回のヒアリングはその一環として行われたものです。
新聞協会が特に問題視しているのは、検索結果の順位を決定する「アルゴリズム」の不透明さです。アルゴリズムとは、膨大なデータから最適な回答を導き出すための計算手順やルールのことを指します。このルールがプラットフォーマー側の都合で一方的に変更されると、質の高い記事を提供しているメディアであっても、検索結果の彼方に追いやられてしまいかねません。情報の発信源であるメディア側にとって、これは死活問題といえるでしょう。
さらに、広告を運用する際の手数料が不透明である点も大きな議論の的となっています。広告主が支払った費用のうち、どれだけがプラットフォーム側に徴収され、どれだけがコンテンツ制作側に還元されているのかがブラックボックス化しているのです。SNS上でも「これでは健全なジャーナリズムが維持できない」「情報の出口を握っている企業の力が強すぎる」といった、現状の不均衡を危惧する声が数多く上がっています。
メディア運営の根幹を揺るがすこの事態に対し、政府には厳格な対応が期待されています。私自身の視点としても、情報の信頼性を担保する新聞社などの媒体が、技術的な支配権を持つ企業のさじ加減一つで淘汰されるような構造は改善すべきだと考えます。健全な民主主義を守るためには、情報の「流入口」である巨大IT企業と、「発信源」であるメディアが対等に、かつ透明性の高い環境で競い合えるルール作りが急務ではないでしょうか。
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