NTTデータ、北米市場で反攻の狼煙!クラウド注力で利益率倍増へ挑むボブ・プライヤーCEOの野望

日本のシステムインテグレーターとして、北米市場で圧倒的な存在感を放つNTTデータ。2016年に約3,300億円という巨額を投じてデル・テクノロジーズのITサービス部門を買収してから、2019年12月04日で約3年が経過しました。現在、その中核を担うNTTデータサービシーズのボブ・プライヤーCEOが、さらなる飛躍に向けた強気な戦略を語っています。

巨大企業の「一部事業」を譲り受けるという難易度の高い統合プロセスは、22カ月という長い年月をかけて完遂されました。当初は人事や財務といった本社機能の再構築に追われていたものの、今やその産みの苦しみは過去のものとなりつつあります。SNS上でも「日本企業による海外買収の成功例になるか」と、投資家やIT界隈からの視線が熱く注がれているのです。

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買収が生んだ巨大な相乗効果と「スマートシティー」への挑戦

規模の拡大は、単なる数字の積み上げ以上の価値をもたらしました。以前のデル時代では手が届かなかった複雑で大規模なプロジェクトが、今の彼らには舞い込んでいます。特に強みを持つヘルスケア分野に加え、公共セクターでも勢いを増しており、2019年04月から2019年06月期の受注高は前年比で6割増という驚異的な成長を記録しました。

また、NTTグループ全体の購買力を活かした「NTTグローバルソーシング」によるコスト削減も大きな武器です。サーバーなどの調達コストを抑える一方で、高度なセキュリティソフトの展開も進んでいます。ラスベガスで展開されるスマートシティープロジェクトへの参画など、最先端のIoT技術を駆使した街づくりにも、グループの総力を挙げて取り組んでいるのが現状です。

ここで注目すべきは「スマートシティー」という言葉です。これは、IT技術を活用して交通、エネルギー、防犯などの都市機能を最適化し、住民の利便性を高める次世代型の都市を指します。膨大なデータを解析し、渋滞の緩和や省エネを実現するこの分野は、まさにNTTデータの技術力が最も試される、かつ収益性の高いフロンティアと言えるでしょう。

「パブリッククラウド」へのシフトで収益の柱を確立する

今後の大きな課題は、現在は約3%に留まっているEBITA、つまり「利払い前・税引き前・償却前利益」の比率をいかに高めるかです。これは企業の純粋な稼ぐ力を示す指標ですが、統合に関わるコストが重石となっていた時期を脱し、2021年度(2022年03月期)までには7%、さらにその先には10%の大台を目指すという野心的な目標を掲げています。

収益性向上の鍵を握るのは、急速に普及する「クラウド」への対応です。これまで得意としていた、特定の顧客が専用の設備を利用する「プライベートクラウド」から、AmazonやMicrosoftなどが提供する共有型の「パブリッククラウド」への移行支援に注力しています。不特定多数が利用する基盤への移行は技術的難易度が高いですが、その分需要は絶大です。

個人的な見解を述べれば、このクラウドシフトの成否こそが、日本発のITサービスが世界を制覇できるかの分水嶺になると感じます。デルから引き継いだ強力な顧客基盤という「守り」に、最新のクラウド技術という「攻め」を融合させるプライヤーCEOの采配は、極めて合理的です。単なる「箱売り」ではない、高度なコンサルティングへの転換に期待がかかります。

さらに、今後も製造業やヘルスケアに強い専門コンサル企業の買収を視野に入れているとのことです。カナダのシエラ・システムズのように「NTTデータ」という信頼のブランドを手にすることで、飛躍的に商機を広げる企業も増えてくるでしょう。日本発のグローバルIT巨人が、米国市場で真の主導権を握る日は、そう遠くないのかもしれません。

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