就職活動の景色が、今まさに劇的な変化を遂げようとしています。これまでは学生が企業へ一斉にエントリーする「一括採用」が主流でしたが、2019年12月05日現在、企業側から意中の学生を直接口説き落とす「スカウト型」の採用手法が急速に普及し始めました。
かつてこの手法は、知名度で劣る中小企業が人材を確保するための苦肉の策という側面が強かったといえます。しかし、現在は資生堂や日産自動車といった日本を代表する大手メーカーまでもが、この新しい波に乗り遅れまいと次々に導入を決定している状況です。
ネット上では「企業から直接声がかかるなんて自信に繋がる」といったポジティブな反応がある一方で、「自分の何が評価されたのか基準が気になる」という困惑の声も見受けられます。企業が学生のプロフィールを読み込み、個別にアプローチする熱量は、確実に若者の心を動かしているようです。
なぜ今、一本釣りの「ダイレクトリクルーティング」が必要なのか
ここで注目すべきは、企業が喉から手が出るほど欲しがっている「IT人材」の存在でしょう。いわゆるダイレクトリクルーティング(企業が直接候補者を探して連絡を取る手法)の背景には、専門的な技術を持つ学生の圧倒的な不足という深刻な課題が隠されています。
デジタル技術でビジネスに革新を起こすDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる中、プログラミング能力や高い創造性を備えた学生は、もはや待っているだけで来てくれる存在ではありません。企業自らが「一本釣り」を狙うのは、生存戦略として当然の帰結といえます。
こうした需要の急増に伴い、学生と企業をマッチングさせる専用プラットフォームを運営するスタートアップ企業も勢いを増しています。独自のアルゴリズムで学生の潜在能力を可視化するサービスの登場は、採用市場における情報の非対称性を解消する一助となるはずです。
私自身の見解としては、この変化は単なる効率化ではなく、日本特有の「横並び採用」からの脱却を意味すると考えています。個人のスキルが正当に評価されるこの仕組みは、キャリア形成のあり方をより自律的で健全な形へと変えていくのではないでしょうか。
コメント