「まいどおおきに食堂」でお馴染みのフジオフードシステムが、鳥取県の豊かな自然を舞台に、これまでにない壮大な観光プロジェクトを始動させました。舞台となるのは、県の中央に位置する琴浦町です。2019年12月06日、同社はこの地に宿泊施設を兼ね備えた本格的なワイナリーを開設すると発表しました。単なる醸造所ではなく、地元の旬を味わい尽くすフレンチレストランも併設されるとのことで、新たな観光の目玉として大きな期待が寄せられています。
今回のプロジェクトで特に目を引くのが、日本を代表するクリエイターたちの参画でしょう。施設のデザインは世界的な建築家である安藤忠雄氏が手掛け、スタッフの制服はファッション界の巨匠、コシノヒロコ氏が担当します。これほど豪華な布陣が集結する背景には、藤尾政弘社長の「鳥取の豊かな自然と食材を楽しんでほしい」という並々ならぬ情熱が込められています。SNS上でも「鳥取に安藤建築が!」「コシノデザインの制服が見てみたい」と、早くも話題沸騰中です。
レストランの運営についても一切の妥協がありません。なんと、ミシュランガイドで星を獲得した大阪の有名フレンチシェフが監修を務める予定です。提供される料理の主役は、グループ会社のフジオファームが栽培した新鮮な野菜や、鳥取県中西部の豊かな海山の幸です。一流の技と地場食材が融合したメニューは、まさにここでしか味わえない至高の逸品となるでしょう。地元愛に裏打ちされた美食の提案は、食通たちの心を掴んで離さないはずです。
ここで注目したいのが、「オーベルジュ」という宿泊形態の導入です。オーベルジュとは、宿泊設備を備えたレストランを指すフランス発祥の言葉で、美食とともに贅沢な時間を過ごすことを目的としています。この施設では1日1グループ限定の客室を3部屋用意し、特別なディナーとともにゆったりとした滞在を提供します。年間で約1000人の宿泊客、全体では2万人の集客を見込むという目標からは、地域経済の活性化に対する強い意志が感じられます。
農福連携と観光が織りなす次世代の地域振興
ワイン造りに関しても、着実に準備が進められています。すでに近隣の農地ではブドウの苗木が植えられており、2021年には5ヘクタールまで栽培面積を拡大する計画です。メルローやシャルドネといった本格的な品種を育て、2021年をメドに酒造免許を取得する予定となっています。当初は地域の農家と協力しながら醸造を開始しますが、2023年からは自社ブドウのみでの生産に切り替え、2025年には年間4万2000本の生産体制を目指します。
この事業の根底にあるのは、障がいを持つ方々の就労支援を目的とした「農福連携」の精神です。運営を担うフジオファームは、2015年09月に設立されて以来、特例の子会社として多くの障がい者雇用を生み出してきました。農業と福祉、そこに「観光」という新たな付加価値を加えることで、持続可能な地域社会のモデルケースを目指しています。単なるビジネスの枠を超えたこの試みは、今後の日本における地方創生のあり方に一石を投じることになるでしょう。
編集者の視点から言えば、このプロジェクトは「点」ではなく「線」で地域を活性化させる素晴らしい仕組みです。一流のデザインと食、そして社会的意義が一つになったワイナリーは、鳥取の魅力を世界へ発信する強力な武器になります。2021年夏の開業に向けて、旅行会社とのツアー開発も進んでいるとのこと。関西圏からもアクセスしやすい立地を生かし、多くの人々が鳥取の風土とワインに酔いしれる日が来ることを切に願ってやみません。
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