【関西地銀の危機】進む店舗削減と「脱・金融」への挑戦!2019年11月決算が示す生存戦略とは?

関西の地方銀行が、かつてない構造改革の荒波に揉まれています。2019年11月14日、滋賀銀行は全店舗の約4分の1にあたる30店舗規模の統廃合を行うという衝撃的な方針を打ち出しました。奈良を拠点とする南都銀行も同様に30拠点の閉鎖を決定しており、地域経済のインフラである銀行の姿が、今まさに激変しようとしています。

こうした大規模なリストラの背景にあるのは、深刻な「コスト高」の体質です。2019年4月1日から2019年9月30日までの半年間における決算では、関西主要地銀6社のうち5社が、本業の儲けを示す「コア業務純益」で減益を記録しました。この指標は、銀行が預金と貸出の利ざやなどでどれだけ稼いだかを純粋に測る、いわば経営の「実力値」です。

SNSでは「近所の支店がなくなると困る」といった切実な声が上がる一方、「スマホ決済が普及した現代では、巨大な店舗網はもはや負債でしかない」という冷静な意見も目立ちます。経営の効率性を示す「経費率(業務粗利益に対するコストの割合)」は、5年前と比較して6ポイントも上昇し、77%にまで悪化しているのが現状です。

特に関西圏では、中国・四国地方の地銀が越境して攻勢をかけており、激しいシェア争いで貸出金利が一段と低下しています。もはや「お金を貸して利息を得る」という伝統的なビジネスモデルだけでは、預金者の資産を守り、企業を支え続けることが難しくなっているのでしょう。銀行には今、自前ですべてを完結させる執着を捨てる勇気が求められています。

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「脱・金融」と異業種連携に見出す一筋の光

生き残りをかけた戦略として注目されるのが「脱・金融」の動きです。和歌山の紀陽銀行では、2019年4月に新設したコンサルティング部署が牽引し、企業の勤怠管理システム導入支援などで手数料収入を伸ばしています。単なる資金供給者から、企業の経営課題を解決するパートナーへと進化を遂げることで、新たな収益源を確保した好例と言えます。

また、京都銀行のように支店をホテルへと建て替え、不動産賃貸収入を得るという大胆な試みも始まりました。金融の枠を超えた「資産の有効活用」は、地域に根ざした地銀だからこそできる戦略です。南都銀行が郵便局内に共同窓口を設置したり、ATM運営を外部委託したりする動きも、効率化と利便性を両立させるための賢明な判断でしょう。

私は、こうした「銀行の多角化」こそが地方創生の鍵を握ると考えます。これまでの地銀は、伝統を重んじるあまり、変化に対して保守的すぎた側面は否めません。しかし、現在の苦境は逆に言えば「変革のチャンス」でもあります。IT企業や他業種との積極的な連携は、預金者にとっても利便性の向上につながり、地域経済に新たな風を吹き込むはずです。

残された時間は決して多くはありません。2019年10月にシステム統合を終えた関西みらい銀行を含め、各行がどれだけスピーディーに「稼ぐ力」を取り戻せるかが焦点です。預金という大切な資産を預かる立場として、守りのコスト削減だけでなく、攻めの事業創造に挑む地銀の姿を、私たちは期待を込めて見守る必要があるでしょう。

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