2020年に開催を控えた東京オリンピック・パラリンピックが、地域経済にどのような風を吹き込むのか、多くの関心が集まっています。帝国データバンク横浜支店が2019年10月に実施した最新の調査結果によると、神奈川県内の企業の半数を超える52.8%が、自社の業績に対して「影響はない」と捉えていることが判明しました。一方で、ポジティブな波及効果を期待する「プラスの影響」を見込む企業は16.5%に留まっており、祭典を目前に控えながらも、どこか冷静な視線が注がれているようです。
ただし、五輪という巨大なイベントが日本経済全体の持続的な成長に寄与するかという問いに対しては、44.3%の企業が「有効である」と肯定的な見解を示しています。自社の利益に直結するかどうかは別として、国全体の活性化には期待を寄せる経営者の複雑な胸中が透けて見えますね。SNS上でも「地元への還元を実感しにくい」といった声がある一方で、「世界から注目されるチャンスを逃したくない」という熱いコメントが飛び交っており、温度差が鮮明になっています。
企業規模で明暗が分かれる景況感と物流への懸念
今回の調査結果を詳しく分析すると、企業の規模によって期待感に大きな開きがあることがわかります。従業員数が1000人を超える大企業では、実に62.5%が「プラスの影響がある」と回答しました。これに対して、事業規模が小さくなるほど恩恵を享受できると考える割合は低下する傾向にあります。これは、大規模なインフラ整備やスポンサー契約などの直接的なビジネスチャンスが、どうしても資本力のある企業に集中しやすいという構造的な課題を反映していると言えるでしょう。
業種別で注目すべきは、38.1%もの企業が追い風を感じている運輸・倉庫業界です。大会期間中の人流や物流量の増加は大きな商機ですが、現場からは不安の声も漏れています。具体的には、交通規制による「物流の混乱(交通渋滞や配送ルートの制限)」を危惧する意見が目立ちました。また、2019年9月20日から11月2日まで開催されたラグビーワールドカップ2019がもたらした熱狂を、そのまま五輪へ繋げたいというポジティブな声も上がっており、スポーツの力を信じる空気は確かに存在します。
私個人の見解としては、五輪を単なる一過性のイベントに終わらせないための「レガシー(将来にわたって引き継がれる社会的・経済的な遺産)」の活用こそが、真の成功の鍵を握ると考えています。競技施設が負の遺産となってしまっては、地域経済にとって本末転倒です。大会終了後の景気低迷、いわゆる「ポスト五輪不況」を防ぐためにも、神奈川の魅力をいかに持続可能な形で世界へ発信し続けるか。2019年11月21日現在の今こそ、官民一体となった戦略的な取り組みが問われています。
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