2019年12月01日を迎え、カレンダーも最後の一枚となりました。街が華やぐこの季節、避けては通れないのが「忘年会」の話題ですね。しかし、実は心の底では開催を負担に感じている人が少なくないようです。かつての年末の風物詩は、今や働く世代にとって複雑な心境を抱かせるイベントへと姿を変えているのかもしれません。
田辺三菱製薬が2018年に実施したアンケート調査によると、20代から40代の会社員500人のうち、なんと44%が忘年会への参加に消極的な姿勢を示しました。特に20代女性に限定すれば、半数の50%が「参加したくない」と回答しています。若年層を中心に、忘年会を単なる「苦行」と捉える傾向が顕著に現れているといえるでしょう。
SNS上でも「残業代が出ない拘束時間でしかない」「上司の説教を聞くために自分でお金を払うのは納得がいかない」といった切実な声が溢れています。こうした反響の背景には、序列通りに整列し、役職者の挨拶を延々と拝聴する、いわゆる「正調昭和型」の宴会スタイルが、令和の現代においても絶滅せずに根強く生き残っている現状があるようです。
「無礼講」という言葉が飛び交い、献杯(相手に杯を差し出し、敬意を表して酒を酌み交わすこと)が繰り返される中で、若手や女性は絶えず周囲に気を配り、注文や取り分けに奔走します。宴が中締め(会の中盤で一度区切りをつけること)を迎える頃には、心身ともに疲れ果ててしまうというのが、多くの会社員が抱く本音ではないでしょうか。
「忘年の交わり」が示す、これからの時代の繋がり方
これからの多様な働き方が求められる時代には、形式的な集まりよりも「忘年の交わり(ぼうねんのまじわり)」という考え方が重要になるはずです。これは、中国の歴史書『後漢書』に記された、50代の孔融と20歳前後の禰衡が、年齢差を超えて深い友情を育んだという故事に由来する言葉で、立場や世代を忘れて親しく付き合うことを指します。
年功序列という古い価値観が崩壊しつつある今、職場の人間関係もフラットなものへと進化せざるを得ません。私自身の考えとしては、従来の「お付き合い」としての忘年会は役割を終えつつあると感じます。無理に大人数で集まるよりも、志を同じくする仲間と小規模に語り合う場こそ、明日への活力に繋がるのではないでしょうか。
中には「自分は既に若手と友人のように接している」と自負するベテラン世代もいるでしょう。新人にITスキルを教わったり、SNSで冗談を言い合ったりする姿は一見微笑ましいものです。しかし、そこには相手の細やかな気遣いが隠れている可能性もあり、過信は禁物です。相手の本音に寄り添う姿勢を忘れてはいけません。
令和という新しい時代をどう歩んでいくべきか。そのヒントは、形式に縛られない心からの対話にあると私は確信しています。今夜は気心の知れた少人数の仲間とこぢんまりと集まり、美味しいお酒を片手に、これからの未来についてじっくりと語り合ってみるのも、素敵な一年の締めくくり方かもしれません。
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