日産が「ダットサン」ブランドを大幅縮小!新興国戦略の「脱ゴーン」で挑む大胆な経営改革の行方

日産自動車が、かつての黄金時代を象徴し、新興国向けに復活させたブランド「ダットサン」の戦略を大きく見直すことになりました。2019年12月01日現在、同社はロシアやインドネシアを含む東南アジア市場からの撤退を固めています。かつての拡大路線から、より現実的な収益重視の姿勢へと舵を切るこの決断は、自動車業界全体に大きな衝撃を与えています。

ダットサンといえば、カルロス・ゴーン元会長が主導した世界戦略の要でした。競合他社に先を越されていた新興国市場を切り開くため、2014年に低価格な小型車ブランドとして鳴り物入りで再導入されたのです。しかし、直近の2018年の販売台数は約7万2000台と、前年比で約1割も落ち込んでおり、当初期待された勢いにブレーキがかかっているのが現状です。

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ロシアとインドネシアでの生産終了が示す「選択と集中」

具体的な計画によれば、日産は2020年中にもロシアとインドネシアでの生産を終了させる方針です。ロシアでは仏ルノー傘下のアフトワズへ生産を委託していましたが、この契約も解消される見込みとなっています。インドネシアを足がかりに東南アジア全域へ広げる構想もありましたが、低価格を武器にした戦略が思うように消費者の心に響かなかったようです。

SNS上では「ダットサンの名が消えるのは寂しい」「やはり安さだけでは今の時代は通用しないのか」といった、ブランドへの愛着と戦略の厳しさを指摘する声が相次いでいます。ブランドイメージを構築する難しさが、改めて浮き彫りになった形と言えるでしょう。今後はこれら撤退地域において、より付加価値の高い「NISSAN」ブランド車の販売にリソースを集中させていくことになります。

「脱ゴーン」の象徴としてのブランド再編と今後の展望

今回の縮小劇は、単なる販売不振への対策に留まりません。ゴーン元会長が進めてきた「数」を追う拡大路線と決別し、効率的な経営体制を再構築する「脱ゴーン」の動きが、目に見える形となって現れたものです。不採算部門を切り離すスピード感からは、日産が抱える危機感の強さと、再生に向けた並々ならぬ覚悟がひしひしと感じられます。

一方で、ダットサンが完全に消滅するわけではありません。現在展開している10カ国のうち、エントリーモデルとして確固たる人気を誇るインドや南アフリカでは、引き続き販売が継続されます。2019年12月01日の時点でも、パキスタンでの現地生産開始を控えるなど、地域ごとの需要を精査した「適材適所」の戦略にシフトしていく模様です。

編集者としての私見ですが、ブランドの歴史を安売り戦略に利用してしまったことが、長期的なブランド価値の毀損を招いた可能性は否定できません。しかし、過去のしがらみを捨てて不採算地域から撤退する決断は、今の日産にとって必要不可欠な荒療治でしょう。この痛みを伴う改革が、次世代の「技術の日産」を形作る土台となることを期待せずにはいられません。

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