2019年、過去最高の盛り上がりを見せた「瀬戸内国際芸術祭」の熱狂をそのままに、新しい旅の形が動き出しています。大手旅行会社のJTBは、2019年12月08日、瀬戸内海の島々を船で自由自在に巡る新サービスを開始しました。これは、旅行会社向けにチャーター船や宿泊施設、食事などをワンストップで提供する画期的な仕組みです。
「瀬戸内アイランド・コンシェルジュ・サービス」と名付けられたこの事業は、香川県高松市を拠点に展開されます。これまでは島から島への移動が難しかった瀬戸内において、交通インフラの「点」を「線」で結ぶ役割を果たします。SNS上では「自分たちだけの航路でアートを巡れるなんて贅沢すぎる」といった、富裕層やグループ旅行客からの期待の声が早くも上がっています。
島々の魅力をつなぐ「海上のプライベート空間」
今回、JTBが特に注力しているのが「チャーター船」の活用です。通常の定期航路は、本州や四国と各島を結ぶ「生活航路」がメインであり、観光客が隣り合う島へ直接移動するのは至難の業でした。しかし、ベッドやキッチンを完備した高級クルーザーなどを手配することで、まるで海に浮かぶホテルのような自由度の高い旅が実現するのです。
費用は1グループ1日あたり15万から20万円が目安となっており、プライベートな空間を重視する現代のニーズに合致しています。さらに、案内役を務めるのは、瀬戸内国際芸術祭を支えてきた「瀬戸内こえびネットワーク」の皆さんです。地域の物語を熟知したプロのガイドが同行することで、単なる観光以上の深い体験が得られることでしょう。
インバウンドと富裕層を魅了する「SETOUCHI」の底力
2019年の瀬戸内国際芸術祭は、来場者数が117万人という驚異的な数字を叩き出しました。海外メディアからも注目される中、インバウンド(訪日外国人観光客)の割合も2割を超えています。この勢いを3年に一度の祭典期間だけでなく、日常的な観光需要へとつなげることが、今回のサービスの最大の狙いといえます。
水上飛行機での遊覧体験や、JR四国の豪華な観光列車「四国まんなか千年ものがたり」を組み合わせるなど、まさに至れり尽くせりの内容です。直島の「赤かぼちゃ」をはじめ、会期外でも楽しめるアート作品は数多く存在します。私自身、この試みは単なる移動手段の確保ではなく、瀬戸内のブランド価値を世界基準に引き上げる素晴らしい戦略だと確信しています。
JTB高松支店は、2019年度中に150人程度の利用を目指し、2020年度には個人がネットから簡単に予約できるシステムの構築も予定しています。利便性が向上することで、瀬戸内は世界中から人々が集まる「開かれた芸術の海」へと進化を遂げるはずです。今後の展開から目が離せません。
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