船井電機がEV市場へ本格参入!テレビ技術を結集した「電費」向上バックライトで赤字脱却へ

日本の家電業界を支えてきた船井電機が、今まさに大きな転換点を迎えています。長年主力としてきたテレビ事業は、中国や韓国メーカーとの激しい価格競争にさらされ、構造的な不況から抜け出せない状況が続いてきました。そこで同社は、培ってきた高度な映像技術を武器に、急成長を遂げる電気自動車(EV)向け部品市場への進出を2019年12月11日に発表しました。

目指すのは4年から5年後をメドとした部門売上高100億円の達成です。ネット上では「船井の技術力が車載分野でどう花開くか楽しみだ」「安価なイメージを払拭するチャンス」といった期待の声が寄せられています。テレビの開発で磨かれたノウハウが、次は次世代モビリティの心臓部を支えることになります。厳しい業績からの逆転劇を狙う、同社の挑戦が幕を開けました。

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「電費」を救う革新的なバックライト技術

EV向け部品の第1弾として開発されたのは、速度表示パネル用のバックライトです。これは液晶パネルの裏側に配置される光源のことで、今回は多数のLEDを面状に配置した画期的な構造を採用しました。最大の特徴は、映像の暗い部分をセンサーが自動で判別し、その場所のライトを部分的に消灯させる「ローカルディミング」という制御技術にあります。

これまでの液晶は光を遮ることで黒を表現していましたが、この新製品は電源そのものを遮断するため、圧倒的なコントラストと省電力を両立させています。大浦久治執行役員は、EVにおいてガソリン車でいう燃費にあたる「電費」の重要性を説いており、この技術こそが次世代車の付加価値になると確信しています。映像の美しさと効率性を兼ね備えたこの部品は、2020年からの量産が既に決定しています。

多角的な開発で描く「100億円」の未来図

船井電機の野心はバックライトに留まりません。電子ルームミラーや後部座席用のエンターテインメントシステムなど、得意のディスプレイ分野を起点に製品群を拡大する計画です。さらに、外部機関との連携にも積極的で、産業技術総合研究所の知見を借りた自動照射制御ヘッドランプ用の「スキャナミラー」開発も進行しており、DVDで培った回転制御技術がここでも応用されています。

2020年3月期の連結営業損益は30億円の赤字を見込むなど、足元の状況は決して楽観視できません。しかし、家電で培った緻密な技術を、車載基準の厳しい振動や温度変化に対応させる粘り強い実験姿勢には、日本のものづくりの意地が感じられます。ディスプレイ技術をコアにした多角化戦略が、船井電機を再び成長軌道へと押し上げる原動力になるでしょう。

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