日本政府が総力を挙げ、5年間で最大1000億円という巨額の予算を投じる新制度「ムーンショット型研究開発制度」の全貌が、2019年12月12日までに明らかとなりました。この制度は、かつて人類を月面着陸へと導いたアメリカのアポロ計画のように、極めて大胆で野心的な目標を掲げるプロジェクトを指します。一見すると不可能にさえ思える高いハードルを越えることで、社会を根本から変革するようなイノベーションを巻き起こそうという狙いがあるのでしょう。
2019年7月の段階では25もの候補が挙がっていましたが、今回、専門家による精査を経て、最終的に8つの重要なテーマへと絞り込まれました。SNSなどのインターネット上では「これほど巨額の税金が未来の技術に投資されるのはワクワクする」といった期待の声が多く見られます。一方で、「50年という遠い未来の目標をどう実現するのか」という冷静な注目も集まっており、国内外の研究者から熱い視線が注がれているのは間違いありません。
量子計算機からロボット共生まで!私たちが目指す驚異の未来像
注目すべきテーマの一つは、2050年までに「誤り訂正機能」を備えた量子コンピューターを実現することです。量子コンピューターとは、従来のPCが「0か1か」で処理するのに対し、量子力学の不思議な性質を利用して膨大な計算を同時にこなす次世代の計算機を指します。計算の途中で発生するミスを自ら修正できる高度なマシンの登場は、創薬や新素材の開発を劇的に加速させるでしょう。私たちの暮らしを支えるデジタル基盤が、根底から塗り替えられるに違いありません。
また、地球環境の再生も大きな柱に据えられています。具体的には、2050年までに二酸化炭素(CO2)を効率よく回収・利用する資源循環システムや、深刻な問題となっている海洋プラスチックごみを分解する技術の確立を目指します。単なる削減にとどまらず、地球そのものを「再生」させるという姿勢には、日本の科学技術が世界をリードするという強い覚悟が感じられます。これほど壮大な挑戦は、私たち市民にとっても非常に頼もしいニュースだと言えるのではないでしょうか。
さらに、自ら学習して行動し、人間と自然に共生できるAIロボットの開発も掲げられました。2050年までには、人間と同等かそれ以上の身体能力を持つロボットが登場し、私たちの生活を支えるパートナーとなるかもしれません。このほか、2050年までの「超早期の疾患予測・予防」や、2040年までの「強靭な農林水産システム」の構築など、医療から食料まで多岐にわたる分野が網羅されています。政府は2020年1月にも、これらのテーマを正式に決定する予定です。
コメント