2019年12月12日、自由貿易の旗手であるオーストラリアから、世界の経済勢力図を揺るがす重要なメッセージが発信されました。バーミンガム貿易・観光・投資相は、難航するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の交渉において、インドが離脱を選択する事態になっても合意を優先する構えを明確にしています。
RCEPとは、日本や中国、ASEAN諸国などが参加し、関税の撤廃や投資ルールの共通化を目指す広域的な経済枠組みのことです。インドは自国の産業保護を理由に慎重な姿勢を崩していませんが、豪州側は「インド残留に向けた努力は惜しまないが、不参加という結末にも備える必要がある」と、現実的な決断を迫っています。
ネット上のSNSでは「インドという巨大市場が抜けるのは痛手だが、早期発効を優先すべきだ」といった、実利を重視する声が数多く上がりました。既存の貿易協定があるなかでRCEPの意義を疑問視する意見も見受けられますが、バーミンガム氏は「単なる関税の問題だけではない」と、その付加価値を力強く強調されています。
特筆すべきは、金融や通信といった「サービス貿易」における市場開放の進展でしょう。これは国境を越えたビジネスのルールを現代化し、企業が他国の市場へ参入しやすくする仕組みを指します。たとえインドが加わらなくても、他国との間で高度なルールが共有されれば、豪州企業にとって計り知れない恩恵がもたらされる見通しです。
編集者の視点から申し上げれば、この豪州の姿勢は非常に理にかなった戦略的判断だと評価できます。変化の激しい国際社会において、一国の事情で全体の停滞を許すわけにはいきません。完璧な形でのスタートに固執するよりも、まずは結束できる国々で強固な経済基盤を築くことこそが、地域の安定に繋がるはずです。
2019年12月12日時点でのこの動きは、アジア太平洋地域の自由貿易が新たなフェーズに突入したことを象徴しています。インドの動向には引き続き注視が必要ですが、残された国々が手を取り合い、質の高い協定を作り上げることへの期待は、かつてないほどに高まっているといえるのではないでしょうか。
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