【東京消防庁】「蘇生中止」の新運用が2019年12月16日開始へ!終末期の意思を尊重する救急のあり方とは

人生の最期をどのように迎えたいか、その願いを叶えるための大きな一歩が踏み出されます。2019年12月13日、東京消防庁は、心肺停止となった終末期の患者が事前に蘇生を望まないと意思表示している場合、12月16日から救急隊が心肺蘇生や搬送を中止できる新しい運用を導入すると発表しました。

これまで救急現場では、たとえご家族から「本人は延命を望んでいなかった」と伝えられても、一律に蘇生処置を行い病院へ運ぶことが一般的でした。しかし、これからは「住み慣れた自宅で穏やかに旅立ちたい」という本人の尊厳を最優先に考え、医師の確認や家族の同意という厳格なプロセスを経て、その意思が守られるようになります。

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心肺蘇生の中止を判断する3つの厳格な要件

今回の運用対象は成人の方で、主に「人生の最終段階(終末期)」にあることが条件です。具体的には、事前に本人が蘇生を拒否する意思を家族や主治医と共有していること、そして現場の状況がその想定と合致していることが求められます。現場に到着した救急隊は、すぐにかかりつけ医へ連絡を取り、医学的な背景と本人の意向を慎重に確認します。

ここで言う「終末期」とは、現代の医学では回復の見込みがなく、死が間近に迫っていると判断される状態を指します。SNSでは「家族が慌てて呼んでしまった後でも、本人の願いを尊重できるのは救いになる」といった声が上がる一方で、「現場で短い時間に判断を下す救急隊の心理的負担が心配だ」という慎重な意見も寄せられています。

足並みが揃わない全国の対応とこれからの課題

実は、この「蘇生中止」に関するルールは日本全国でバラバラなのが現状です。2017年の調査では、多くの消防本部が家族から拒否の申し出を受けて困惑した経験を持ちながら、対応方針を定めている自治体は半分以下に留まります。広島市や埼玉西部のように中止手順を設ける地域がある一方で、福岡市のように「意思の断定が難しい」として一律に蘇生を継続する方針を掲げる地域も存在します。

編集者の視点として、今回の東京消防庁の決断は、超高齢社会における「死の質」を問う重要な転換点だと感じます。どこに住んでいても同じ尊厳が守られるよう、国レベルでの緩やかなガイドライン策定は急務でしょう。国内最大規模の消防組織が動くことで、救急医療の現場にどのような変化が訪れるのか、その成果に日本中の注目が集まっています。

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