リクナビ「内定辞退率」予測販売に終止符。厚労省が38社への行政指導を完了。就活の透明性は守られるのか?

2019年、就職活動の在り方を揺るがした大きな波紋がいよいよ一つの区切りを迎えようとしています。就職情報サイトの最大手「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、学生の「内定辞退率」を予測して企業に販売していた問題。この件について、2019年12月13日、加藤勝信厚生労働相はサービスを利用していた企業38社に対し、同日中に行政指導を完了する見通しを公式に表明しました。

今回の行政指導は、職業安定法の指針に基づいたものです。この指針とは、求職者の個人情報を適切に扱い、不利益が生じないように守るためのルールのこと。調査の結果、リクルートキャリア本体やその親会社であるリクルート、そして実際にデータを利用していた企業群がこのルールに違反していたと断定されました。8月の問題発覚から数ヶ月、国による大規模な調査がようやく幕を閉じようとしています。

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不透明なデータ売買の裏側と、SNSで噴出した学生たちの不信感

そもそもこの問題の構図は、企業側が学生の学歴や選考の合否データをリクルートキャリアに提供し、同社がリクナビ上の閲覧履歴などと照らし合わせて「この学生は辞退しそうだ」という確率を算出・販売していたというものです。しかし、学生たちは自分の行動履歴が勝手に分析され、裏で売買されているとは夢にも思っていませんでした。こうした不透明なやり取りに、ネット上では「就活生を商品扱いしている」「裏切られた気分だ」といった怒りの声が相次いでいます。

厚労省が特に問題視したのは、学生本人に対してデータの活用方法を十分に説明していなかった点です。また、学生の同意を得ないまま外部から算出された「辞退率」を受け取っていたことも、職安法の指針に抵触すると判断されました。2019年12月13日には、経団連などの経済団体に対しても個人情報の厳格な管理を求める要望書が提出される予定で、業界全体が襟を正すべきタイミングが訪れています。

一連の騒動を振り返ると、効率を重視するあまり、就活生という「人間」の尊厳が軽視されていたのではないかと感じずにはいられません。AIやビッグデータは便利なツールですが、それを使う側の倫理観が欠如してしまえば、信頼関係は一瞬で崩壊してしまいます。今回の行政指導を機に、企業は学生を単なる「数値」として見るのではなく、一人のパートナーとして誠実に向き合う文化を再構築すべきではないでしょうか。

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