タムラ製作所・浅田昌弘社長が描く未来!AV時代からEV・次世代通信へ、電子部品の王者が挑む100年の変革

1924年の創業以来、日本のものづくりを支えてきたタムラ製作所。2019年4月1日に社長へと就任した浅田昌弘氏は、文系出身ながら製造現場の最前線で泥臭くキャリアをスタートさせた異色のリーダーです。かつて音楽CDやビデオデッキが爆発的にヒットしたAV(音響・映像)全盛期を知る彼が、今まさに100年に1度の変革期を迎える自動車業界、そして電気自動車(EV)市場へと真っ向から挑もうとしています。

SNS上では「タムラのリアクターは信頼性が違う」「地味な部品メーカーに見えて、実はEVの基幹技術を握っているのが熱い」といった声が寄せられています。浅田社長の歩みは、1982年に法政大学を卒業して同社に入社したところから始まりました。最初に配属された工場の製造現場では、産業機器向けの部品を1点ずつ手作業で作り上げる日々だったといいます。当初は営業職を希望していたため意気消沈したそうですが、この経験が後に大きな糧となりました。

入社から5年後、待望の営業職へ転じた浅田氏は、CDデッキやビデオデッキの部品が飛ぶように売れる熱狂の時代を駆け抜けます。1994年からはシンガポールやマレーシアに赴任し、数千人の作業員が働く巨大な東南アジア拠点の運営に携わりました。工場全体の生産管理から購買、営業までをトータルで経験してきた自負が、現在の経営判断の土台となっています。現場の苦労を知るトップだからこそ、社員のやりがいを重視する姿勢が貫かれているのでしょう。

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世界シェア首位の技術で挑む「車載」と「パワーエレクトロニクス」の勝機

タムラ製作所が現在、圧倒的な強みを誇っているのが、ハイブリッド車(HV)などのエコカーに欠かせない「昇圧リアクター」です。これは電圧を制御するために必要な電子部品で、同社は世界トップクラスのシェアを握っています。自動車の電動化が加速し、環境規制が厳しさを増すなかで、この技術はEVの充電設備や風力発電、さらには省エネ性能を高めた空調機器など、あらゆる次世代インフラへの応用が期待されています。

現在の中期経営計画では「車載」「パワーエレクトロニクス」「IoT・次世代通信」を3本の柱に据えています。パワーエレクトロニクスとは、電力を効率よく変換・制御する技術のことで、現代の省エネ社会を支える「魔法の杖」とも呼べる専門分野です。浅田社長は、足元で苦戦している通信分野についても、同社が培ってきた素材や部品の強みを活かして底上げを図る考えを示しており、その戦略眼には迷いがありません。

さらに、浅田社長は組織の若返りにも着手しています。海外拠点では30代の若手を経営層に抜擢するなど、多様な人材の登用を積極的に進めています。「自分たちだけの力では成長に限界がある」と断言し、今後はスタートアップ企業との連携も視野に入れているそうです。100年に1度の荒波を乗り越えるため、伝統ある企業に「外部との化学反応」という新しい風を吹き込もうとする姿勢は、非常に賢明な判断ではないでしょうか。

ハードな激務をこなす浅田社長ですが、プライベートではジム通いや奥様との御朱印集めを楽しむ一面もお持ちです。趣味のピンバッジ集めや推理小説の読破にも「とことん打ち込む」という性格は、まさに仕事への情熱そのものと言えます。2019年12月13日現在、浅田氏が率いるタムラ製作所は、過去の成功に安住することなく、EV時代の覇者を目指して着実な一歩を踏み出しているのです。

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