2019年12月18日、世界の造船市場が激震に揺れる中、三菱造船の大倉浩治社長が今後の展望を明かしました。現在、隣国の中国や韓国では、国策として造船会社の巨大な統合が加速しています。これは単なる企業の合併ではなく、国を挙げて産業競争力を底上げしようとする強固な意志の表れと言えるでしょう。
特に中国の勢いは凄まじく、自国での建造能力を飛躍的に高めています。石炭や鉄鉱石をそのまま積み込む「バルカー(ばら積み船)」や、膨大な物資を運ぶ大型貨物船の分野で、着実に世界シェアを拡大しているのが現状です。自給自足の精神を軸に、世界の物流インフラを支配しようとする彼らの戦略は、日本にとっても無視できない段階に達しています。
一方で韓国は、原油を運ぶタンカーや、マイナス162度という極低温で液化させた天然ガスを運ぶ「LNG(液化天然ガス)船」の受注に注力しています。これらの船は高度な技術を要しますが、韓国勢は大型合併による規模の利益を活かし、市場を席巻しつつあります。日本が誇ってきた技術優位性が、物量と価格の波に飲み込まれようとしているのです。
コスト競争の限界と三菱造船が描く新たな航路
長崎の香焼工場におけるLNG船の受注が停滞している現状について、大倉社長は厳しい胸の内を語りました。近年のLNGプロジェクトは、1案件で10隻を同時発注するような巨大な規模へと変化しています。これにより、建造コストの劇的な引き下げが求められるようになり、日本が韓国勢と同じ土俵で価格競争を挑むのは、もはや現実的ではありません。
SNS上では「日本の高い技術力が価格に負けるのは悔しい」という声がある一方で、「汎用品の競争からは脱却すべきだ」という冷静な意見も見受けられます。私自身の見解としても、単なる規模の拡大を追うのではなく、日本独自の付加価値をどこに見出すかが重要だと考えます。コストで勝てない以上、次世代の環境技術や特殊船に特化する「選択と集中」が不可欠でしょう。
造船業はかつての「日本の花形産業」としての誇りを維持しつつ、新たな生存戦略を模索する過渡期にあります。2019年12月18日時点でのこの決断が、将来の日本の海事産業を救う英断となるかどうかに注目が集まっています。従来のビジネスモデルを大胆にアップデートし、特化型技術で世界を唸らせる三菱造船の逆襲を期待せずにはいられません。
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