2019年12月18日現在、ITの急速な浸透によって、私たちの社会や産業のルールは劇的な変化を遂げようとしています。これまで製造業といえば「高品質な製品を作って売ること」がゴールでしたが、現代の競争軸は大きくシフトしました。今や重要視されているのは、モノそのものではなく「その製品を通じて顧客がどのような体験や成果を得られるか」という点に集約されているのです。
デジタル技術で常に世界が繋がるようになったことで、ユーザーの体験はリアルタイムで評価の対象となります。一方で企業側も、膨大な行動データを収集できる環境が整いました。これにより、顧客一人ひとりのニーズを先回りして察知し、最適なタイミングで価値を届ける「常時寄り添い型」のビジネスが可能になったのです。まさに、製品中心のモデルからサービスとしての提供へ、大きな転換点を迎えています。
日本が誇る現場力と「おもてなし」がデジタル時代を制する
こうした背景から、現在「AaaS(アズ・ア・サービス)」という事業モデルへの移行が、製造業にとっての最重要課題となっています。AaaSとは「サービスとしての製品提供」を指し、従来の売り切り型ではなく、継続的な月額課金(サブスクリプション)などの形態で価値を提供し続ける仕組みです。しかし、日本企業はこのデジタル変革において、諸外国に一歩出遅れているという厳しい現実も否めません。
多くの日本企業では、いまだにITを「削減すべきコスト」と捉えており、成長を加速させるエンジンとして認識できていない現状があります。また、これまで製品を販売した後の使用状況を把握してこなかったため、データを戦略的に活用するという発想が生まれにくいのも事実でしょう。SNS上では「日本の製造業はもっと柔軟になるべきだ」といった、危機感を募らせるユーザーの声も散見されます。
しかし、私は日本企業にこそ、このAaaS型モデルで世界をリードする大きな可能性があると確信しています。リアルの世界でデータを有効活用するには、長年培ってきた製造現場の緻密なノウハウが不可欠だからです。日本には良質なデータを収集し、それを製品の改善に繋げる高い技術力があります。これにデジタルの力を掛け合わせれば、最強のビジネスモデルが構築できるはずです。
さらに、顧客と常に繋がり続けるビジネスにおいて、日本が得意とする「対面での細やかな心遣い」は大きな武器になるでしょう。テクノロジーが進化する今こそ、製造現場の強さと日本流のおもてなしを融合させ、独自のサービス型ビジネスを確立すべきです。2019年12月18日、私たちはまさに、日本のものづくりが新たな輝きを放つための入り口に立っているのではないでしょうか。
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