【徹底解説】オムニチャネル成功の鍵は「評価制度」にあり!ECと実店舗の対立を解消する戦略とは?

現代の小売業界において、もはや避けては通れないキーワードとなった「オムニチャネル」。2019年12月18日、この概念の理論と実践を深く掘り下げた一冊として、近藤公彦氏と中見真也氏が編著を務めた書籍が注目を集めています。消費者の購買行動が劇的に変化する中で、私たちはどのようにして新しい店舗の在り方を構築すべきなのでしょうか。

本書では、オムニチャネルが急速に普及した背景に、iPhoneの登場によるモバイル革命があると分析しています。あらゆる場所からインターネットに接続できる環境が整ったことで、消費者は場所を選ばずに買い物ができるようになりました。SNS上でも「ネットとリアルの境界がなくなった」という声が相次いでおり、生活者の利便性は飛躍的に向上しています。

「オムニチャネル」とは、実店舗やECサイト、SNS、カタログなど、顧客との接点(チャネル)をすべて連携させ、どこでも同じように買い物ができる環境を整える戦略を指します。単に販路を増やす「マルチチャネル」とは異なり、在庫情報や顧客データを一元化し、シームレスな購買体験を提供することがその本質と言えるでしょう。

2011年に米国の百貨店大手メーシーズが「オムニチャネル宣言」を行ったことは、業界に大きな衝撃を与えました。リーマン・ショック後の厳しい経営環境を打破するために、彼らは実店舗とネットを融合させる道を選んだのです。この決断は、業態が多様な日本においても、戦略の方向性を示す重要なマイルストーンとして語り継がれています。

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社内対立を乗り越える「ダブルカウント」という画期的な評価軸

しかし、理論は素晴らしくとも、現場ではECと実店舗の担当者が成果を奪い合う「社内対立」が頻発しがちです。ネットで注文して店舗で受け取る仕組みが整っても、その売上がどちらの成果になるかで揉めてしまっては意味がありません。この課題に対し、本書は写真プリント大手「キタムラ」の先行事例を挙げて、見事な解決策を提示しています。

キタムラが導入したのは、売上や利益を実店舗の成績として計上しつつ、評価についてはEC側と実店舗側の両方に付ける「ダブルカウント」という手法です。これにより、店舗スタッフは喜んでネット注文の受取対応を行い、社内全体が同じ方向を向くことが可能になります。こうした柔軟な評価制度こそが、組織を一つにまとめる大きな鍵を握っているのです。

私自身の見解としても、オムニチャネルの成否はITシステムの問題以上に、人間の心理や組織の評価システムに依存すると感じています。現場のスタッフが「ネットは敵」と感じてしまう状況では、どれほど高度なアプリを導入しても顧客満足度は上がりません。デジタルの裏側にある「人の心」を動かす仕組みづくりこそ、経営者が今すぐ取り組むべき課題です。

2019年12月18日現在、日本独自の進化を遂げるオムニチャネル戦略は、まさに過渡期にあります。本書を読み解くことで、単なる流行語としての理解を超え、自社のビジネスを成長させるための具体的なヒントが見つかるはずです。顧客に選ばれ続けるために、まずは社内の評価軸という足元から見直してみてはいかがでしょうか。

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