厳しい寒さが和らぎ、春の息吹を感じる頃に鮮やかな朱色やオレンジ色の花を咲かせる「ボケ」。古くから観賞用として親しまれてきたこの植物ですが、実は日本一の産地である新潟県に、知る人ぞ知る絶品の「食べる楽しみ」が存在することをご存知でしょうか。
新潟市の秋葉区と南区の一部は、全国におけるボケ生産量の約90パーセントを占める巨大な拠点です。その歴史は極めて古く、1764年には現在の秋葉区にあたる旧新津市で、販売を目的とした栽培が始まったと伝えられています。まさに、ボケと共に歩んできた地域といえるでしょう。
そんな歴史ある産地をさらに盛り上げるべく、2019年12月21日現在、ひそかなブームを巻き起こしているのが、実を贅沢に使った「ボケジャム」です。もともと生産者たちの間で自家用に作られていた文化に着目し、「育てる・見る」という愛でる文化に「食べる」という喜びを融合させました。
SNS上では「ボケの花は知っていたけれど、食べられるなんて驚き!」「アンズのような爽やかな香りがたまらない」といった驚きと絶賛の声が広がっています。珍しさだけでなく、その確かな味わいが、トレンドに敏感な食通たちの心をしっかりと掴んでいるようです。
限定500個の希少価値!手間暇かけて生まれる黄金のペースト
国内に約230種類もあるボケの中から、ジャムの原料に選ばれたのは、特に大きな実をつける「無双」と「天下一」という2品種です。しかし、これらは虫がつきやすく管理に細心の注意が必要なため、年間に生産できるジャムはわずか500個程度という非常に希少な品となっています。
総合交流拠点施設「うららこすど」の加工場では、皮を丁寧に剥いた果肉を煮込み、ペースト状にしてから丹念に仕上げていきます。ここでポイントとなるのが、滑らかなペーストに細かく刻んだ果肉をあえて加える手法です。この工夫により、独特の心地よい食感が生まれます。
ボケはバラ科の植物で、その実はカリンやアンズに似た芳醇な香りを放つのが特徴です。実際に口に運んでみると、爽やかな酸味が広がり、粘り気が少なくサラリとした上品な口当たりを楽しめます。ヨーグルトのトッピングにすれば、その持ち味がより一層引き立つこと間違いありません。
個人的な見解ですが、こうした地域の伝統を新しい形で発信する試みは、地方創生の素晴らしいモデルだと感じます。美しい花を楽しむだけでなく、その「実」を味わうことで、私たちはその土地の歴史や生産者の情熱をより深く、五感で理解することができるのではないでしょうか。
2019年12月21日現在、この「ボケジャム」は1瓶120グラム入り、税込み620円で「うららこすど」の直売所や通信販売にて手に取ることが可能です。保存期間も約1年と長いため、大切な方への贈り物や、自分への少し贅沢なご褒美として、新潟の旬を味わってみてはいかがでしょうか。
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