【2019年末最新】自動車株の復活を阻む「CASE」の壁とは?日本株全体の浮沈を握る巨大産業の苦悩

2019年12月21日現在、日本の株式市場では基幹産業である自動車株の先行きに対して、非常に厳しい視線が注がれています。世界景気の不透明感が徐々に和らぎ、販売台数にも回復の兆しが見え始めているものの、株価が力強く再加速するには至っていません。投資家の間では「割安なのは分かるが、今買って本当に大丈夫なのか」という迷いが渦巻いており、業界大手の幹部ですら、その問いに明確な回答を出せないほど複雑な状況に直面しているのです。

現在の自動車株を語る上で欠かせないのが「CASE」という専門用語です。これは「Connected(つながる)」「Autonomous(自動運転)」「Shared(共有)」「Electric(電動化)」の頭文字を取ったもので、自動車産業における100年に1度の技術革新を指します。SNS上でも「これからの車はスマホと同じ」「ガソリン車が終わる」といった期待の声が上がる一方で、投資の世界ではこのCASE対応に伴う莫大な研究開発費が、企業の利益を圧迫する最大の懸念材料として議論されています。

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収益を圧迫する次世代技術への投資負担

2019年度の主要メーカー7社の売上高に対する研究開発費の比率は、5年前と比較して平均1ポイント上昇し、5%に達する見通しです。この数字は一見小さく思えますが、数兆円規模の売上を誇る巨大企業にとっては、数千億円単位の利益が削られることを意味します。新型車を市場に投入しても、膨れ上がった開発コストを販売価格に十分転嫁できないというジレンマに陥っており、現場からは「以前のような利益率を維持するのが難しくなっている」という悲鳴にも似た本音が漏れ聞こえてきます。

市場からの評価も二分されています。ゴールドマン・サックス証券は、2020年は景気に敏感な銘柄に追い風が吹くと予想しながらも、自動車株については市場平均を下回る運用を勧める「アンダーウエート」と判定しました。巨額の資金を投じている電気自動車(EV)が、実際にどれほどのスピードで普及し、収益化に結びつくのかが依然として不透明なためです。構造的な逆風が吹き荒れる中で、投資家は慎重な姿勢を崩せないでいるのが現実でしょう。

日本株の命運を左右する「輸送用機器」の存在感

自動車株の停滞は、単なる一業種の問題に留まらず、日本株全体の「出遅れリスク」に直結しています。東証株価指数(TOPIX)において、自動車を含む「輸送用機器」の時価総額シェアは約8%と、トップ3に入る巨大な存在です。ITやヘルスケアが市場を牽引する米国株とは異なり、日本株が上昇気流に乗るためには自動車株の復活が絶対に欠かせません。この依存度の高さこそが、世界的な株高局面で日本が取り残される要因になるのではないかと危惧されているのです。

しかし、希望の光が完全に消えたわけではありません。一部の運用会社では、半導体や工場自動化(FA)関連の株に続くと期待される「循環物色」の次のターゲットとして、自動車株の安値拾いを検討する動きも出始めています。2019年12月20日時点の日経平均は、年初来の上昇率でようやく米ダウ平均に迫る勢いを見せています。2020年に日本株が世界の主役に躍り出ることができるのか。その鍵は、まさにこの巨大産業がCASEという高い壁を乗り越えられるかにかかっています。

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