大手総合商社の三井物産が、いよいよ本格的な「脱ハンコ」へと舵を切ります。システム開発を担う三井情報は、2019年12月23日、世界シェアを誇る米ドキュサイン社の電子署名サービスを親会社へ導入することを発表しました。対象となるのは国内拠点に勤務する約5800人という大規模なもので、日本のビジネスシーンにおけるペーパーレス化の象徴的な事例となるでしょう。
今回採用された「イーシグネチャ」は、インターネット上で契約締結を完結させる画期的なクラウドサービスです。従来の紙と印鑑によるプロセスをデジタル化することで、物理的な郵送の手間や印紙代といったコストを劇的に削減できるのが最大の特徴といえます。SNS上でも「ついに大手商社が動いた」「働き方が大きく変わる一歩だ」と、その先進的な取り組みを歓迎する声が数多く寄せられています。
新社屋移転を見据えた次世代ワークスタイルの構築
この大規模なシステム刷新の背景には、2020年5月に控えた新社屋への移転プロジェクトが深く関わっています。三井物産は新オフィスにおいて、固定席を持たないフリーアドレス制をグループ単位で導入する予定です。どこでも働ける環境を作るためには、書類の保管場所を必要とする従来の紙文化からの脱却が不可欠であり、今回の電子署名導入はその中核をなす施策だと推察されます。
単なるツールの導入に留まらないのが、三井グループの徹底した姿勢です。電子署名を法的に有効な形で運用するため、国税関係の書類をデータで保存することを認める「電子帳簿保存法」への準拠を意識し、社内規定の改正まで踏み込みました。法務やコンプライアンスの壁を一つずつ取り払い、ビジネスのスピードを極限まで高めようとする意志が、今回の迅速な環境整備から強く感じ取れます。
三井情報は、ドキュサインの日本法人と連携し、監査にも耐えうる強固な活用方法を検討しています。既存システムとの連携や設定はもちろん、社員が迷わないための専用サイト構築やトレーニングまで手厚く支援する体制です。こうした盤石なサポートがあれば、大規模組織であってもデジタル移行の混乱は最小限に抑えられるはずです。今後は海外拠点やグループ会社への展開も視野に入れており、世界規模での効率化が期待されます。
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