アジアの空の玄関口として、年間およそ7500万人もの人々が利用する香港国際空港が、今かつてない試練に直面しています。香港空港管理局が発表した最新のデータによれば、2019年11月の旅客数は前年の同じ月と比べて16%も減少した約503万人にとどまりました。実に97万人もの利用者が姿を消したことになり、この減少幅はここ10年間で最大という、極めて衝撃的な数字となっています。
好調だった2019年上半期とは一転し、潮目が変わったのは同年8月のことでした。民主化を求める大規模なデモ隊が空港内に押し寄せ、大量の欠航便が発生した「空港占拠」がターニングポイントとなったのです。これにより、2019年8月から11月にかけては4カ月連続で二桁の減少を記録しており、かつての活気が嘘のような静けさが広がっています。SNS上でも「旅行のキャンセルを検討せざるを得ない」といった悲痛な声が相次いでいます。
ハブ空港の機能低下と航空各社への深刻なダメージ
今回の旅客数減少の内訳を詳しく見ていくと、非常に興味深い傾向が浮かび上がってきます。乗り継ぎ客や香港住民の利用は微増している一方で、純粋に香港を目的地とする訪問客が激減しているのです。特に中国本土や東南アジアからの観光客離れが深刻であり、世界中の旅行者が今の香港に対して強い警戒感を抱いていることが伺えます。旅客だけでなく、物流の要である航空貨物も減少傾向にあり、経済全体への波及が懸念されます。
この事態を受け、航空会社は苦渋の決断を迫られています。日本の全日本空輸(ANA)が減便や機材の小型化に踏み切ったほか、エアアジアなどのLCCも相次いで路線を見直しています。特筆すべきは地元の香港航空で、北米路線の運休や従業員への給与遅配が発生するほどの経営危機に陥りました。当局によるライセンス取り消しこそ免れたものの、資金繰りの悪化は目を覆わんばかりの状況と言えるでしょう。
ここで注目すべき「ハブ空港」という言葉は、各地からの路線が車輪のハブ(車軸)のように集中し、効率的な乗り継ぎを可能にする拠点空港を指します。香港がその地位を維持できるかは、現在の混乱がいつ収束するかにかかっているでしょう。個人的な見解としては、観光資源の魅力は色褪せていないものの、治安への信頼回復には相当な時間が必要であり、今後は周辺都市の空港との競争激化も予想されます。
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