北陸の商業地図が激変!大和高岡店の閉店とイオンの猛攻で「百貨店3店時代」は到来するか

2019年12月26日現在、北陸の商業シーンは歴史的な転換点を迎えています。富山県高岡市の象徴でもあった「大和高岡店」が2019年8月25日をもってその長い歴史に幕を閉じ、9月からはわずか550平方メートルのサテライトショップへと姿を変えました。かつての店舗面積のわずか3%という規模縮小は、地方都市における百貨店経営の厳しさを如実に物語っています。長年地域に愛されてきた存在だけに、SNS上では「時代の流れを感じて寂しい」「街の活気が失われないか心配」といった、惜しむ声が数多く寄せられています。

百貨店業界には「人口100万人に対して1店舗が限界」というシビアな定説が存在します。北陸3県の総人口は約295万人であることを考えると、適正な店舗数は「3店舗」という計算になります。10年前には6店舗が軒を連ねていた北陸ですが、今回の大和高岡店の閉店で4店舗に減少しました。さらに、2021年2月末には西武福井店が新館を閉鎖する予定となっており、北陸の百貨店勢力図はまさに「3.5店」という瀬戸際の状況に追い込まれています。

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郊外型モールの「増床ラッシュ」が百貨店を追い詰める

百貨店を苦境に陥れている最大の要因は、郊外型大型商業施設による圧倒的な攻勢です。2019年9月には「イオンモール高岡」が大規模な増床を行い、10月には平和堂系列の「ファボーレ」もリニューアルを敢行しました。こうした大型施設は「増床(ぞうしょう)」、つまり既存の建物に新たな売り場を付け加えることで、さらなる集客力を高める戦略を強化しています。もはや百貨店の主力だった婦人服の不振や、急成長を続けるネット販売の波に抗うのは容易なことではありません。

特筆すべきは、これまで百貨店の独壇場だった「観光需要」までもがイオンなどの大型モールに奪われつつある点です。イオンモール高岡の増床棟は北陸新幹線の新高岡駅の目の前に位置し、伝統工芸品や地元グルメを揃えて観光客を迎え撃つ構えを見せています。また、石川県のイオンモール新小松では、小松空港を利用する訪日外国人客(インバウンド)を意識した多言語対応も万全です。もはや、買い物だけでなく「観光の拠点」としての役割も、郊外型モールへとシフトしているのです。

中心市街地の再起をかけた「人の流れ」への期待

厳しい状況に置かれている百貨店ですが、未来への希望が完全に絶たれたわけではありません。金沢市の大和香林坊店周辺では、新たな観光施設の誕生により回遊性が高まることが期待されています。また、富山市では2020年3月に路面電車の南北接続が予定されており、駅北側からのアクセスが劇的に改善される見通しです。こうした都市インフラの整備によって生まれる「新しい人の流れ」をいかに収益に結びつけられるかが、生き残りのための絶対条件となるでしょう。

編集者の視点から言えば、百貨店には単なる小売業を超えた「文化の拠点」としての誇りを持ち続けてほしいと願わずにはいられません。効率を重視する大型モールに対し、百貨店ならではの専門性の高い接客や、上質な空間演出という独自の付加価値をどう再定義するかが問われています。2021年夏には石川県白山市に北陸最大級のイオンモールが開業予定ですが、百貨店が「街の顔」としての輝きを取り戻すための方策を、今こそ官民一体となって模索すべき時期に来ています。

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