日本フードサービス協会が発表した最新の統計によると、2019年11月の外食売上高は全店ベースで前年同月比2.6%増という明るい結果になりました。10月は台風の影響などで苦戦を強いられましたが、わずか2ヶ月でプラス成長へと転じた形です。暦の上で休日が前年より多かったことも追い風となり、街には活気が戻ってきているようです。
11月としては珍しい暖かな天候が続いたことも、人々の外出意欲を刺激した大きな要因と言えるでしょう。気温が高い日は冷たい飲み物やデザートの需要も伸びやすく、自然と客足が伸びる傾向にあります。SNS上では「天気が良いから外でランチを楽しんだ」といった投稿が目立ち、季節外れの陽気が消費者の財布の紐を緩めた様子が伺えます。
軽減税率の追い風を受けたファストフードの進化
今回の増益を力強く牽引したのは、驚くべきことに2019年10月の消費増税に伴って導入された「軽減税率」でした。軽減税率とは、生活必需品や持ち帰りの飲食物の税率を8%に据え置く制度のことです。これにより、店内飲食(10%)よりも割安感のあるテイクアウト(8%)を選択する賢い消費者が、ファストフード店を中心に急増しました。
当初は複雑な制度に戸惑う声もありましたが、蓋を開けてみれば「中食(なかしょく)」、つまり店で買ったものを自宅などで食べるスタイルが完全に市民権を得た印象です。SNSでも「8%のうちに買って帰るのが定石」という意見が多く見受けられます。企業の巧みな販促戦略も功を奏し、増税というハードルを逆手に取って新たな需要を掘り起こした点は見事でしょう。
編集者としての私見ですが、この数字は単なる一時的な現象ではなく、日本の食文化が構造的に変化している兆しではないかと感じています。利便性を重視する現代人にとって、プロの味を自宅で安く楽しめるメリットは極めて大きいものです。店舗側には今後、冷めても美味しいメニュー開発や、効率的な受け渡しシステムの構築がより一層求められるはずです。
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