2019年12月28日、私たちは新たなディケイドの幕開けとなる2020年を目前に控えています。経済成長のエンジンであるアジア地域では、ビジネスチャンスを左右する重要な政治イベントや国際展示会が目白押しです。各国の動向を把握することは、グローバル戦略を練る上で欠かせない要素となるでしょう。
まず2020年01月01日から、シンガポールとマレーシアで「デジタルサービス税」が導入されます。これは国境を越えて提供される音楽配信やアプリ、クラウドサービスなどの広告・取引に課税する仕組みのことです。IT企業にとってはコスト構造の変化を意味し、ネット上では「サブスク料金に影響するのでは」と早くも懸念の声が上がっています。
政治面では2020年01月11日の台湾総統選が最大の焦点です。再選を目指す蔡英文氏の動向に注目が集まっており、中台関係の行方を占う重要な一日になるはずです。また、春節(旧正月)が2020年01月25日から始まるため、中国を中心とした巨大な消費の波がアジア全域に押し寄せ、観光や小売業界に活気をもたらすでしょう。
ハイテクとモビリティが加速する春から夏のアジア
春の訪れとともに、テクノロジーと産業の熱気はさらに高まります。2020年04月初旬にはベトナムのハノイで、同国初となる「F1(フォーミュラ・ワン)」が開催されます。世界最高峰の自動車レースの招致は、経済発展の象徴とも言えます。SNSでは「ついにハノイの公道をF1マシンが走るのか」とファンの期待が爆発しています。
自動車業界に目を向けると、2020年03月25日からのバンコク、2020年04月21日からの北京と、国際的なモーターショーが続きます。特に次世代の移動手段としてのEV(電気自動車)シフトがどこまで進むのか、世界のバイヤーが熱い視線を注いでいます。各メーカーの最新技術が披露される場は、まさに未来の縮図と言えるでしょう。
さらに、通信インフラの劇的な進化も期待されます。2020年07月を目処に、タイ政府が「5G」の商用化を計画しています。5Gとは、現行の4Gを遥かに凌ぐ超高速・低遅延の次世代通信規格です。あらゆるモノがネットに繋がるIoT社会が、東南アジアでもいよいよ現実のものとなり、新たなビジネスモデルが誕生するきっかけになるに違いありません。
経済激変の予感!秋以降の中国マーケットと政治の行方
2020年後半も、経済を揺るがすビッグイベントが控えています。2020年11月11日には、中国で恒例となった「独身の日」セールが開催されます。毎年、天文学的な流通総額を記録するこの日は、中国の消費パワーを測るバロメーターです。ライブコマースなどの新しい販売手法がどこまで記録を伸ばすのか、世界中が固唾を飲んで見守ります。
私は、2020年のアジアは「デジタルとリアルの融合」が決定的な段階に入ると考えています。課税制度の整備が進む一方で、5Gのようなインフラが整い、消費行動が劇的に変化するからです。単なる成長市場としてではなく、イノベーションの実験場としてのアジアを、私たちはより深く、多角的に観察していく必要があるでしょう。
最後を締めくくるのは、2020年12月03日から上海で開催される電力展示会です。エネルギー問題は持続可能な発展における最大の課題であり、最新の発電設備が示す方向性は、翌年以降の投資トレンドに直結します。2020年という激動の一年を生き抜くために、これらのカレンダーを戦略の軸に据えてみてはいかがでしょうか。
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