2019年、日本企業の資金調達が16兆円突破!「借金」で稼ぐ経営への歴史的シフトと低金利の衝撃

2019年12月28日、日本のビジネス界に驚きのニュースが飛び込んできました。今年1年間に日本企業が市場から調達した資金の総額が、16兆7572億円という10年ぶりの高水準を記録したのです。バブル崩壊後の最高値に迫るこの数字は、日本経済の地殻変動を象徴しています。

SNS上では「これほど巨額の資金が何に使われるのか」「日本企業の攻めの姿勢を感じる」といった期待の声が上がる一方で、将来的な金利上昇を不安視する意見も散見されます。しかし、今回の活況は過去の金融危機時とは全く異なるポジティブな背景を持っています。

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「株式」から「社債」へ、資金調達の常識が激変

特筆すべきは、調達額の約9割を占める14兆5100億円が「普通社債」によるものだという点です。社債とは、企業が投資家から直接お金を借りるために発行する債券のことですが、今年はその発行額が過去最高を更新しました。

かつて、返済義務のない株式で資金を集める「エクイティファイナンス」は、コストの低い手法と考えられてきました。しかし現在は、株主が期待する利益(資本コスト)を意識する経営が定着し、相対的に低コストな負債を賢く活用する流れが主流となっています。

日銀のマイナス金利政策により、企業は極めて有利な条件で長期資金を確保できる絶好の機会に恵まれました。投資家側も、運用難の中で利回りのある社債を熱烈に求めており、市場全体がかつてないほどの熱気に包まれている状況です。

成長を加速させる「劣後債」とROE向上への挑戦

今年の象徴的な動きとして、ソフトバンクグループが計1兆円、武田薬品工業が5000億円もの巨額調達を実現しました。ここで注目したいのが、武田薬品などが活用した「劣後債」という専門的な仕組みです。

劣後債とは、万が一の際の支払い順位が低い代わりに、格付け会社から「資本」として一部認められる特殊な借金です。これにより、企業の信用力を維持したまま大型のM&A(合併・買収)といった攻めの投資を継続することが可能になります。

私は、この動きを日本企業がようやく「資本効率」の重要性に目覚めた証拠だと確信しています。負債を有効活用して利益を伸ばせば、自己資本利益率(ROE)が向上します。米国勢に劣る10%前後のROEを底上げしようとする企業の姿勢は、評価されるべきでしょう。

2020年も、米大統領選を控えた不透明な情勢を前に、早めの資金確保を急ぐ動きは続くと予想されます。金利の波を読み解き、借金を「武器」に変える経営が、これからの日本経済を牽引していくに違いありません。

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