多様性が叫ばれる現代において、中部地方の企業がダイバーシティ(多様な人材が活躍できる状態)の実現に向けて大きく動き出しました。2019年12月16日、外食チェーンを展開する物語コーポレーションやブラザー工業といった名だたる企業が、性的少数者(LGBT)の方々が安心して働ける環境整備を加速させていることが明らかになったのです。
物語コーポレーションでは、同性カップルを法律婚と同等に扱う画期的な社内規定の見直しを行いました。独自の証明書を発行することで、結婚祝い金や配偶者手当の支給をスタートさせています。こうした取り組みはSNSでも「先進的で素晴らしい」「地元企業がここまで踏み込むのは心強い」と、非常にポジティブな反響を呼んでいるようです。
過去の反省を糧に生まれた「誰もが輝ける」オフィス
同社がここまで本腰を入れる背景には、2018年の採用活動における苦い経験がありました。当時の担当者が知識不足から、求職者に対して配慮に欠ける発言をしてしまったのです。この失敗を真摯に受け止めた同社は、専門チームを発足させるとともに、全社員を対象とした相互理解のための講習会を開催するなど、組織の意識改革を徹底して進めてきました。
さらに2019年10月には、愛知県豊橋市の本社を改装し、性別を問わず利用できる「オールジェンダートイレ」を設置しました。ハード面でのバリアフリー化を進めることで、心理的な壁を取り払う狙いがあります。人手不足が深刻な外食業界において、従業員が生き生きと働ける環境こそが、企業の持続的な成長を支えるエンジンになるという強い決意が感じられますね。
制服の自由化から相談の「見える化」まで広がる支援の輪
ブラザー工業では、従来の性別固定観念を打破し、従業員がスカートかズボンを自由に選択できる作業着を導入しています。また、介護事業を営む福祉の里でも、2019年内に制服を一新しました。性別を強調しがちな赤や黒を避け、グレーを基調とした4色から選べるようにした点は、当事者だけでなく全従業員のファッションの自由度も高める素敵な工夫と言えるでしょう。
インテリア商社のサンゲツが進める「アライ(理解者・支援者)」の取り組みも注目に値します。研修を受けた賛同者に配布されたステッカーは既に1,000枚を超えており、周囲に相談しやすい空気感を「見える化」しています。私は、こうした小さな意思表示の積み重ねこそが、少数派の方々の孤立を防ぎ、職場全体の心理的安全性を高める最も有効な手段だと確信しています。
少数派の方々が過ごしやすい場所は、結果として全ての人にとって快適な場所になるはずです。中部企業のこうした挑戦は、単なる福利厚生の拡充に留まらず、これからの日本社会が目指すべき「共生」の形を私たちに示してくれているのではないでしょうか。
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