2019年12月21日、日本のエネルギー供給に劇的な変化をもたらすビッグニュースが飛び込んできました。極東ロシアにおいて、新たな液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトが本格始動する方針を固めたのです。経済産業省をはじめ、伊藤忠商事や丸紅といった日本の官民連合が、米エクソンモービルらと手を携えて挑むこの事業は、まさに国家レベルの壮大なプロジェクトといえるでしょう。
今回の計画では、2027年にも生産を開始する予定となっており、その規模は日本のLNG年間調達量の約1割に相当する見込みです。総事業費は1兆円規模に達すると予測されており、その圧倒的なスケール感に驚きを隠せません。SNS上でも「日本のエネルギー安全保障が強化される」「ロシアとの経済連携がさらに深まる」といった期待の声が多く上がっており、国民の関心の高さがうかがえます。
自前プラント建設へ!サハリン1が選んだ攻めの戦略
この事業の主導権を握るのは、エクソンやロシア国営のロスネフチ、そして日本の「サハリン石油ガス開発」などからなる企業連合です。このサハリン石油ガス開発には、経産省や石油資源開発、丸紅などが名を連ねています。すでに欧米のエンジニアリング大手がプラント基本設計の入札に応札しており、2019年12月の現時点において、計画は着実に実務段階へと移行している様子が分かります。
特筆すべきは、当初の計画を大胆に変更した点です。もともとは近隣の「サハリン2」へガスを販売する予定でしたが、価格交渉が決裂したことを受け、自前でLNGを輸出する方針へと舵を切りました。200キロメートルに及ぶパイプラインを敷設し、ロシア本土で年間620万トンのLNGを生産する体制を整えます。困難な交渉を乗り越え、自立した供給ルートを確保しようとする執念には目を見張るものがあります。
ここで解説しておくと、LNGとは「Liquefied Natural Gas」の略で、天然ガスをマイナス162℃まで冷却して液体にしたものです。体積を600分の1に縮小できるため、船舶での大量輸送が可能になります。日本のような資源の乏しい国にとって、この「運べるエネルギー」の確保は、日々の暮らしや産業を支えるための生命線といっても過言ではありません。
エネルギー調達の多様化とロシアとの蜜月関係
ロシアは米国に次ぐ世界第2位のガス産出国ですが、現在はその輸出の多くを欧州に依存しています。しかし、欧州との政治的緊張が高まる中で、ロシアは新たな供給先として東アジアを極めて重視しているようです。日本としても、オーストラリアや中東に偏りがちな調達先を分散させたいという思惑があり、両国の利害は完全に一致したといえるでしょう。
私は、このプロジェクトが日本にとって非常に重要な意義を持つと考えています。中国が世界中で資源獲得競争を加速させる中、日本が権益を持つ事業を増やすことは、将来的なエネルギー価格の安定に直結するからです。もちろん、特定の国への依存度が高まるリスクには注意が必要ですが、2021年の最終投資決定に向けて突き進むこの勢いは、日本経済に明るい光を投げかけています。
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